田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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皆様の声 VOICE

江戸川区西瑞江、31歳、女性からメールをいただきました。

田中けん様




 初めまして。お忙しいところ恐れ入ります。


 2012年8月31日に「皆様の声」に掲載された、山梨県、21歳 女性からの意見文を拝見して、私も同様のことを意見させて頂きたくこの文章をお送りさせて頂きました。




 今インターネット上で話題になっております、『ココロコネクト』というアニメ作品に関して、「日刊田中けん」で是非取り扱って頂けたらと思っております。




 事件の詳細はこちらをご覧いただければと思います。
http://www49.atwiki.jp/kokoro-ijimect/ 
 山梨県 21歳 女性 の意見文に掲載されていたアドレスと同じサイトです。
 インターネットの有志による情報なので、一部正確でないものもあるかもしれませんが、一連の流れを把握するには十分ではないかと思います。





 「アニメ」という一種オタク的な話題であるため、一般的にはあまり受け入れられない話題かもしれませんが、私はこの問題はアニメに携わる業界の構造的な問題だと捉えております。




 近年、東京都では海外へ向けて日本のアニメや漫画などの文化を発信することに力を入れていらっしゃいます。が、決して現場の労働環境は良好とは言えない現状があります。




詳しくはこちらのサイトなどに情報がのっているので、私の稚拙な文では伝わらない具体的な部分はこちらのサイトを参考にして頂けたらと思います。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0905/28/news016.html




「アニメーター実態調査シンポジウム2009」で検索をかけても、色々と情報が見られると思います。




 某テレビ番組(確かNHKだったと思うのですが)で特集されていましたが、アニメを動かすための『動画』と呼ばれる作業をされている、アニメーターさんのお給料はとても薄給です。
 動画一枚に対して単価は200円程度(番組内での情報ですが)。どんなに頑張って描いても月に500枚程度が限度で、月給にすると月10万円前後にしかならないそうです。こんな生活保護以下のお給料では、結婚したくても結婚出来ず、将来設計もままなりません。
 アニメ会社がスタッフの単価を上げてあげたくても、制作現場まで回ってくるお金が少なく、昇給させることもできないといいます。




 決して制作費が少ないのではなく、広告代理店やテレビ局などが報酬を中抜きし、現場の会社にまで回らないという構造的な問題が原因のようです。
 アニメ制作現場では、テレビ局や広告代理店、出版社などの方が影響力が強く、また利益も多いのです。




 今回の事件に関して、そのようなアニメ業界の構造を考えれば、決して「オタク業界の些末な出来事」では済ませられません。




 この騒動のきっかけになった役者(声優)さんは、立場上、”労働弱者”と言えるでしょう。そして、パワーハラスメントとしか思えない企画を立案したのは、出版社をはじめとした影響力の強い上層部の”労働強者”です。




 先ほどアニメーターの現状を例に挙げましたが、声優さんも決して良い条件で働いているわけではありません。特にアニメの単価は声優の仕事の中ではとても安価な仕事です。
 しかし、出演して良い役に当たれば、知名度も上がりファンも着く。その可能性があるので、たとえ安い仕事でも、夢を持って役者さんはオーディションに臨みます。




 役者さんは、いわゆる芸能事務所に所属してはいますが、オーディションで受からなければ仕事はもらえません。毎回仕事の面接を受けに行く日雇い労働者のようなものです。ネームバリューだけで仕事が来る役者さんなど、ごくごく一部の方のみです。




 そういう状況を鑑みても、今回のように公衆の面前で、無茶な仕事を断れないような状況を作り、偽のオーディションを仕掛け、「本当はあなたの役などない。宣伝部長の役をあげるから、自腹を切って全国宣伝行脚してきてください。」などというのは、真剣に役を取りに来ている役者に対しての侮辱であり、パワーハラスメント以外のなにものでもないと思うのです。
 たとえ所属事務所の了承が有ったとしても、とても悪質だと言わざるを得ません。





 長くなってしまいましたが。




 以前からアニメ業界をはじめとした、この産業の行く末を心配していた私の身としては、このようなことがいまだにまかり通っている時代錯誤の業界に恐ろしいものを感じます。
 今のアニメ産業は、夢を抱いた若いクリエーターたちの犠牲の上に成り立っていると言っても過言ではないと思います。アニメーターも、声優も、上の人間からしてみればいくらでも換えの利く派遣労働者と同じなのです。




 アニメーターも役者も、夢を抱いて業界に入っては、あのような仕打ちに遭い、心折れてやめていく人も後を絶ちません。優遇せよとまでは言いませんが、今の環境があまりにも酷すぎます。




 もし都が、国が、本気でこの産業を育てたいと思うのであれば、決して放置していていい問題だとも思えません。




 この事件をきっかけに、より多くの方に現在のアニメ業界をとりまく酷い環境を知って頂きたいです。





 長文お目汚し失礼致しました。
 よろしくご検討いただければ幸いです。




 ここまで読んでくださりありがとうございました。

2012年09月01日