6月13日(木)に一般質問をしました。
2013年6月13日 第2回定例会一般質問
通告に従い、質問します。
新村議員と重複する質問もありますが、ご理解の上、お答えください。
まずは学童クラブ登録児への補食廃止について。
「補食は保護者の自主運営の事業だと我々は考えている。補食の廃止ではなく今回見直しをかけたのは、補食を受けている子どもの中の3年までの所得の低い方、就学奨励に当たるような所得水準の方に対しておやつ代を助成していたということで、これを廃止するということでございます」
これは、今年2月22日の定例会で深江議員の質問に対する教育長の答弁です。
ところが、現在保護者による自主運営を認めず、この4月から補食自体も廃止されました。新1年生となる6歳児から6年生までの学童クラブ登録している子どもたちは、給食を食べてから家に帰るまでの間、水道水以外何も口にすることができません。
学童クラブは保育園機能の小学生版ですから、保護者が帰宅するまでは、すくすくスクールだけを登録した子どもと違い、喉が渇いたから、お腹が空いたからといって、自宅に帰って飲んだり食べたりができません。
学校によっては、水筒持参を許可しているようですが、3月までは水筒が空になったらすくすくスクールで用意した麦茶をもらえたのに、4月からは麦茶の提供もなくなりました。これは教育委員会の指導によって行われたのでしょうか。
この様な事態は、数日前まで幼稚園、保育園で生活していた6歳児の小学生に対する大人の行為として、児童憲章の理念や人権の観点からも大いに問題があるとの指摘に対して、どのようにお答えになりますか。
麦茶を沸かす為に公費で用意し、3月まで73校のすくすくスクールで使用していた電磁調理器やヤカン等があるのに、突然麦茶の提供をやめた理由を教えて下さい。
教育長の答弁にもあるように、補食は自主運営で存続できるのだと、保護者は理解しています。しかし、自主運営営を申し出た保護者に対して、空いている部屋、つまり補食の為に使用可能な部屋もすくすくスクールの施設だから使わせないと断っています。すくすくスクールは学校施設の活用を検討する中から生まれた画期的な事業のはずです。学童クラブはすくすくスクールに内包されているにも関わらず、すくすくスクールの施設だから自主運営の学童補食には使わせないという説明では保護者が納得しません。その点、いかがお考えでしょうか。
また現場では、すくすくスクールの活動を途切れさせない事が大事だから、補食は許可しないと説明されています。すくすくスクールは子ども一人ひとりの生活に合わせた利用が出来る自主性を大切にした事業です。塾・おけいこ・家庭の用事などや、サッカーなどの遊びの途中で抜ける子、途中から参加する子がいても、子どもたちはすくすくスクールの仕組みを理解し、お互いの事情を受け入れて過ごしています。多様化する子どもたちの生活実態があるにも関わらず、補食を廃止した根拠を説明してください。
補食を摂る子、摂らない子の違いから、不公平感が生じる可能性と子どもの気持ちに配慮して補食廃止を決定したと聞いています。
しかし、すくすくスクールは立ち上げの時から留守家庭の子ども達を書類審査し、有料で受け入れる学童クラブを内包し、あらたな放課後健全育成・学童保育の場作りとしてスタートしました。
捕食の自主運営という方針を受け入れたにしても、捕食廃止を保護者が受け入れたわけではありません。廃止の決定自体が一方的であったとの印象を禁じ得ません。これまでどのように検討を重ね、現在に至ったのか、お答えください。
補食廃止という一連の変化に関する説明から、将来、学童クラブそのものを廃止する意向が区にあるのではないかと心配している保護者さえ増えています。確かに初めてすくすく事業の試行を行った鎌田小学校では、事前に学童クラブのサービスは低下させないと説明していたにも関わらず、その後、混乱が続いています。当時おやつを必要とする子どもに、おやつの準備を保護者に強要したり、おやつではなく補食と言い換えさせ、食べさせている品物まで指導したり、食べる時間を4時や4時半から5時以降にするように、現場職員を指導してきたなどの報告が上がっています。これは一体どういうことなのでしょうか。
今年の6月2日、大阪で留守番中の女児を強姦・暴行していた疑いで容疑者が逮捕されたという報道がありました。府内では、2004年以降、同様の手口による事件が、約50件起きていたそうです。
留守家庭で育つ子どもは江戸川区にもたくさんいます。防犯だけでなく、地震などの災害対策としても、学童クラブは必要です。安心して過ごせる学童クラブがあれば、子どもが危険にさらされるリスクを軽減出来ます。補食を廃止してしまった現在、空腹を心配して4時半とか5時に一人で家に帰っておやつを食べながら留守番をさせている家庭もあるようですが、その時間帯に東日本大震災のような災害があったらという不安は消えません。
4月12日の文教委員会で教育長はすくすくスクールの在り方について時間をかけて議論しながら、皆さんと一緒に検討していきたいと発言しています。それにも関わらず、補食廃止については、充分な議論もされていないのに、行政の都合を子どもたちや保護者に押し付けています。その姿勢を改め、今現在補食を希望している子どもには何らかの方法で補食を提供してください。
子どもの為だと区民に呼びかけ、多くの方々の協力を得て運営してきたすくすくスクール事業は、多田区政の看板事業のはずです。それが今、混乱をきたし、以前より返って劣悪な環境に子どもたちが置かれています。この現状について、区長の考えをお聞かせください。
次に、小学校の卒業式における別れの言葉について質問します。これはあらかじめ学校が用意した文章を、卒業生である6年生の子どもたちが、これまでお世話になった多くの方々に感謝して、その気持ちを言葉として発するものです。小学生でも覚えやすいように、全文を一度細切れのセリフに分けて、子どもたち独り一人に暗唱させます。この形式で、1つの文章を聴く側にメッセージとして伝えます。
たとえ学校が用意した文章であっても、子どもたちが話すわけですから、聞き手は子どもたちの言葉として、別れの言葉を受け止めるわけです。
私が注目したのは、以下のセリフでした。
「お父さん、お母さん、これまで大事に育ててくださり、ありがとうございます」
しかし、「お父さん、お母さん」と声に出した子どもに、お父さんはいませんでした。私はそのセリフを聞いた瞬間に、なんとも言えない胸が締め付けられるような思いがしました。その子は、どのような気持ちで、「お父さん、お母さん」というセリフを言ったのだろうか。想像しただけで、胸が熱くなりました。
現代は、家族のあり方が多様化しています。お父さん、お母さん、子どもが二人という、モデルケースとして考えられてきた従来の家族構成は、むしろ少なくなってきました。
おじいちゃんに育てられた、おばあちゃんに育てられた、お兄ちゃんお姉ちゃん、おじさんおばさんに育てられたなど、別れの言葉には登場しなかった家族であっても、卒業する独り一人の子どもには、お父さん、お母さんだけでない家族、それぞれが過ごしてきて、本当にお世話になったと思える人間の顔が思い浮かんだはずです。
そのような家庭環境の違いを、誰よりも把握しているのが、担任の先生のはずです。だからこそ、子どもたちが置かれた個別の現実に即した、生の声を、本当はセリフにできたはずです。なぜそこに配慮できなかったのでしょうか。
これは特定の学校だけにあてはまることではありません。区内のどこの小学校でも起こりうる事件だと理解した上で、本来ならば、どうすべきだったのか答弁を求めます。
最後にインターネット教育に関しての質問です。
今や、小学生でも中学生でも、当たり前のように、インターネットが使える時代になりました。インターネットは様々な情報を受け取るだけで無く、自分から色々な情報を発信できるという点で、他のメディアと比べて、秀でています。
しかし、人生経験の少ない高校生や大学生などが、不用意に情報を発信してしまい、世間を騒がせたという事件が最近多発しています。
記憶に新しいこところでは、いじめがあった桜宮高校の体育科とスポーツ健康科学科の入試を、橋下市長が中止にしたことに対して、これに納得しない女子生徒が、「殺すぞ」という殺害予告ともいえるようなメッセージをインターネット上で発信しました。
問題は、この発言に留まらず、過去にどんな発言をしてきた生徒かまで、多くの人たちによって検証され、その結果、本来高校生ではありえない、飲酒と喫煙の疑いが発覚しました。また関係者から、本名までが公開され、本名が公開されれば、顔写真が公開されることは容易なことです。これら一連の騒動により、問題の女子生徒は発言を削除し、情報発信ができない状態に追い込まれてしまいました。
このように、たとえ普段何気なく話しているような言葉や、冗談のつもりで発した言葉が、インターネット上に載ると、一人歩きをして世間に広まります。一度広まってしまった情報は、本人が削除しても、延々とネット上に生き続けます。
「どうせ匿名だから、誰が発言したのかわかるはずがない」本人がこのように思ったとしても、専門家が調べれば、結構、誰の発言かわかってしまうものです。
このような事件に、子どもたちを巻き込まないためにも、インターネットを学校で扱いはじめる小中学校において、「何を発信してはいけないのか」というルールについて、しっかりと子どもたちに教えておく必要があるはずです。
この様な取り組みは、江戸川区の教育行政の中でも既に行っているとは思いますが、同じような事件が起こる度に、何度でも教育内容の見直しは必要になってきます。
このような問題意識の元、江戸川区におけるインターネット教育の現状と今後の課題について、ご説明ください。
以上で、私の第1質問を終わります。
2013年06月16日