8月豪雨の礼文島にて
8月23日(土)から8月24日(日)にかけて北海道北部は局地的大雨に見舞われました。全国ニュースでも報道されたとおり、降水量183ミリという雨量が土砂崩れを引き起こし、2名の母娘が亡くなりました。
偶然、お二人がお亡くなりになった礼文島に居合わせた私の体験談をお話しします。
まず写真の通り、島内に南北1本しか無い主要道路は、山から流れてきた濁流によって、各所で寸断されました。南北を結ぶ道路のいたるところでこの様な状態なので、島には何ヶ所も陸の孤島と化した場所ができてしまい、島内移動もままならない状態となりました。
北部から南部の香深港まで、遅くとも45分ほどで到着する車移動であっても、途中何度も立ち往生した結果、90分以上も時間がかかってしまいました。
結果的には重機が出動して、濁流によって寸断された道を何とか整地したり、濁流を食い止めたりしてくれたおかげで、通行できるようになりましたが、当時現場では、最悪車中泊も含めて、長時間車内に閉じ込められるのではないだろうかとの不安感を持ちました。
この様な体験を通じて、疑問に思ったことが2点あります。
フェリーターミナルから2.2㎞離れた場所に、島内唯一のコンビニであるセイコーマート香深店があるわけですが、その2.2㎞間でも、濁流が道を寸断していました。当然車道は通行止めになったわけですが、朝一便の08:15に到着するフェリーに乗っているはずのコンビに配送車が、コンビニまで到着できないわけです。
そのフェリーは、稚内と礼文島を往復するわけですが、08:15に到着したフェリーが次に出発するのが08:40です。25分による発着時間の差を使って、物資をコンビニに届け、来た船に乗って稚内まで帰っていく配送車は、コンビニに物資を届けることなく、物資を乗せたまま稚内に帰ってしまいました。
その事実を私が知ったのは、何とかフェリーターミナルに到着して、宿に戻ろうとする帰路で、そのコンビニに立ち寄った11時頃の話でした。その時点ではまだおにぎりやお弁当など、昨日の売れ残り分(賞味期限内)がありましたので、客はその前日分の物資を買うことができました。
来た船で帰ることが日常化していた配送車にしてみれば、コンビニに品物を届ける使命よりも、時間通りに帰路の船に乗ることを優先しての行動かもしれません。しかし、それは被災地にとっては良かったことなのかどうか、検証が必要です。
またフェリー乗り場には、災害支援型の自動販売機が設置されていましたが、その自販機は飲料水を自動的に配給することなく、普通にコインを入れた客だけに飲料水を提供していました。礼文島では50年に一度と言われる大災害です。それにも関わらず、機能しない災害支援型の自動販売機には、それでも何か意味があるのでしょうか。
普通にコインを入れて販売している自販機ではありましたが、多くの飲料水は売り切れの灯りが点灯していました。
この様な貴重な体験を、江戸川区の行政に反映すべく質問に活かしていきたいと考えています。
2014年09月01日