裁判と死刑に関する勉強会に出席して
「裁判員裁判と死刑」と題する勉強会に参加した続きです。
前半1時間は眠たかったので、内容はよく覚えていません。
後半のお話しの中でメモった情報をお伝えします。
無期懲役は事実上の終身刑になっている。
よく無期懲役でも10年たったら、出てこられると思っている人も多いが、これは仮釈放の申請ができるだけであって、実態から言えば無期懲役で出てこられるのは30年以上。
中には55年経っても出てこられない人もいる。
また仮釈放で出た人と、仮釈放前に獄中で死んだ人との比較をすると、獄中で死んだ人の方が多い。よって、日本の無期懲役は、現在でさえも、そのほとんどが終身刑に近い。
死刑制度があるのは、世界の30%以下。
日本で行われている絞首刑は、同じ死刑であっても、かなり残虐だとの認識が世界中で高い。アメリカで行われる死刑は、ほとんどが薬物注射によるもの。
アメリカのある州では、死刑制度の方が、終身刑よりも経費がかかるので、死刑を廃止した方が良いという議論もある。
日本では真逆の議論もあるが、死刑を制度として維持しようとすると、死刑にかかる人員や設備など諸々の経費がかかりすぎるという考え方。
日本でも、無期懲役ではなく、終身刑(一生刑務所から出られない刑罰)を導入しようとする動きもあるが、法務省はこれについて反対。その理由は、終身刑は死刑よりも残虐だからとのこと。終身刑は死ぬことよりも辛いこととの認識を持ち、現行の死刑制度を支持し、終身刑には反対しているとのこと。
終身刑という残虐な刑を執行させないためにも、死刑は必要と考えているらしい。
もう一つ反対の理由は、人間はいつか出所できるという希望を持っているからこそ、おとなしくなるのであって、一生出られないとなった囚人が、自暴自棄から、何をしでかすかわからないという施設管理上の不安要素を避けるため。
日本で採用される裁判員裁判では、その判決を多数決で決めるが、何対何で結論が割れたとか、反対の少数意見として、このような意見があったというような情報は公表されない。
講師の弁護士は明確に死刑廃止を主張していた。
私は死刑に対しては、態度を保留しています。
賛成とも反対とも言いません。ただし、死刑が残虐な刑罰ではないという立場には立たないので、死刑を存続するならば、公務員による残虐な刑罰を禁じた日本国憲法第36条を改正すべきでしょう。
それができないのならば、日本で死刑をすべきではないと思います。
これは私の思想と言うよりは、法的な整合性に対する問題提起です。
にほんブログ村
2009年03月08日