ストックホルム症候群(BLACK LAGOON 第一話より)
アニメ「BLACK LAGOON」の第一話での話。
海賊に捕まった日本の商社マンが、海賊たちと一緒に過ごす中で、リーダーで黒人の大男と親しくなり、甲板の上で二人きりタバコを吸いながら会話をするシーンがある。
その時の、人質となった商社マンの台詞。
「こういうのをストックホルム症候群というのだろうか。今、この瞬間、世界で信頼できるのは、この大男だけだという気がしてしまった。」
ストックホルム症候群とは、長時間の監禁生活の中で、犯人と人質が長く時間を共有することで、人質が犯人の立場に共感し、信頼や愛情を持つような現象である。本来は、人質を助ける側である警察に対しては、警察が強硬手段を執ることによって、自分の生命が危険にさらされる可能性が高くなることから、犯人同様に憎悪の対象となる。
このシーンを見たときにふと思った。
何もストックホルム症候群とは、監禁という犯人と人質という特殊な場合にのみ発生するわけではないと。
X=犯人 Y=人質 Z(その場の状況)=監禁
未知の項目、X、Y、Zには、それぞれ色々な対象物を当てはめても、この方程式は成り立つのではないだろうか。
少なくとも自分だけは助かりたいという生存本能は、現場において、正義よりも優先する。
X=教師 Y=生徒 Z=学校
X=上司 Y=部下 Z=会社
X=夫(妻) Y=妻(夫) Z=家庭
X=アメリカ Y=日本 Z=日米安保体制
我々は、緩やかな監禁生活の中にあって、反抗するよりは従順でいた方が、日々の生活は暮らしやすく、愛情を持って権力者に接した方が、にらまれることもなく平穏に生活できると言うことを知っている。
何か大切なものを人質に取られているという意識が国民の側にある限り、政権交代など、そう簡単に起こるとは到底思えない。
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2009年03月12日