今の高速道路料金に、インターネット時代の黎明期を見た。
昔からインターネットを使っている人ならば、微かに覚えているだろうが、
昔、NTTの電話サービスで「テレホーダイ」というサービスがあった。
当時は、私自身、相当お世話になっていたサービスだったが、
今ではそのようなサービスも必要なくなり、名前さえも忘れていた。
(ちなみに、この名前を思い出そうと、NTTの116に電話したが、
NTTではそのようなサービスをしていなかったと嘘をつかれた。
「そんなはずはない」と私は反論したが、今、上司に確認したところ、
そのようなサービスはしてきませんとの回答でしたとのことです。
とのお返事。
客の言っていることを、頭から疑ってかかり、
自分の知識が足りないと思いも至らないオペレーターはどうかしている。
それにも増して、知識不足の上司はもっとどうにかしている。)
さて、今一度、このテレホーダイとは何であったのかを確認してみたい。
ウィキペディアによると、
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テレホーダイとは、1995年よりNTT東日本・西日本が提供する、電話サービスのオプション(選択サービス)の商品名。深夜早朝の時間帯(23時~翌日8時)に限り、予め指定した2つまでの電話番号に対し、通話時間に関わらず料金が月極の一定料金となるもの。俗に「テレホ」とも略称される。
従来、接続時間による従量課金のみであった電話料金に、限定的ながらも初めて定額制を導入したという点で画期的なサービスであり、利用者のスタイルにも大きな影響を及ぼした。
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この様に説明されている。
この二つ目の段落の説明は、重要である。
時間限定ながらも定額制を導入したということだ。それが、それ以降のインターネットの普及に弾みをつけた。
この現象は、ある意味、今の高速道路料金サービスと全く同じだと言える。
ただし、前者は一日を単位にして、23時から翌日8時までのサービス。
後者の高速道路は、一週間を単位にして、土日だけのサービス。
もし高速道路を、現代のインターネット並みに社会資本としてフル活用しようと思えば、時間限定を取り外し、料金を極力安くすべきである。その究極形態が完全無料化である。
インターネットが普及する過程においては、「テレホーダイ」は、ホップ・ステップ・ジャンプのホップぐらいの役割を担ってきた。その後、現在のように、原則、いつインターネットに接続しても、定額かつ低額しか請求されない課金制度に変わって、日本でもインターネットが爆発的に普及したのだ。
このインターネットがどれだけ多くの産業を活性化させ、日本経済の発展に寄与してきたかは改めて言うまでもない。
高速道路は誕生こそ、インターネットよりも早かったが、運用上のノウハウがはるかに遅れていた。既得権益に守られた人たちが、日本経済が発展することよりも自分たちの利益確保を優先して考えた結果の国の形だった。
しかし、それでは日本は発展していかない。私たちの目の前には、インターネットという「お手本」があるではないか。
情報と物流。対象は違えども、何かをA地点からB地点まで届けるという意味においては、広い意味で「交通」問題だと言えなくもない。
これまでの日本は、高速道路という立派な社会資本がありながら、それを充分に活用してこなかった。いや高額の通行料金によって、意識的により多くの人が使うことを拒んでいた。
それではダメだ。社会資本の使命とは、建設時の採算性を考えることは当然だが、一度作ってしまった物に関しては、とことんまで利用する、つまりより多くの人たちに使ってもらうことが社会資本としての使命だと、日本国民全員で確認し、学習したい。
今は、高速道路の料金無料化は、物流と国内観光に革命的影響を与えることであろう。誰もが安く気軽に高速道路を利用する時代は、端緒についたばかりである。
今こそ、この国の形を変える高速道路時代における第二の黎明期と言えよう。
不況下の今の日本だからこそ、限られた社会資本を最大限有効に使うためにも、高速道路の完全無料化を一刻も早く実現すべきとの認識を、日本国民全員と私は共有したい。
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2009年04月14日