昨日の委員会での発言から
4月21日(火) 13:30より行政改革特別委員会が開かれました。
私はこの委員会の委員を務めているので、発言する機会を得ました。
テーマは、「区職員の定員管理」についてです。
私は、それまでの他の委員の発言を踏まえて、以下のような発言をしました。
ここでは、その要旨についてお伝えします。
記憶をたどりながらの説明ですので、一言一句あっているということではありませんし、文章的には、わかりやすく加筆した部分も有りますので、その点はご理解の上、お読みください。
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まず、職員数の削減について。区職員は現状で約4000名ほどいます。先程来、職員数の削減を是とした議論が続いています。それはそれで結構なのですが、単純に職員数だけを見ていたのでは、全体像は見えてきません。
つまり何を言いたいかと言えば、
1人あたりの平均的勤務時間*区職員数=区職員が全体で働いた時間数
こうなるわけですから、
8時間(フルタイム働いた時の一日あたりの労働時間)*4000人=32000時間
4時間(ハーフタイム働いた時の一日あたりの労働時間)*8000人=32000時間
この様な計算式が成り立つことから、単純に区職員数だけを議論したのでは不充分です。
全体としての仕事量が変わらなければ、単純に職員数を減らしても、1人あたりの残業が増え、それが区財政の支出を増やす結果になる可能性を否定できません。過剰な長時間労働は違法行為です。
そのためには、まず公務員の仕事量全体を減らす必要があります。
指定管理者制度のような民間委託による外部委託。
アルバイト、パートの活用。
無駄な業務の廃止。
現職職員による効率的な仕事運営。
IT推進による省力化。
このように仕事時間を減らし、公務員を減らす努力を続けて行きつつ、たとえばまだ実現していない休日開庁のような区民要望にも、将来的には応えられるような体制づくりも求められています。
そのためには、民間とは違う営利を追求しない役所だからこそできる雇用形態も模索すべきでしょう。先ほどあえて、4時間*8000人という式を言ったのは、ワークシェアリングの発想を前提にしていたからです。
優秀な人材をどのように確保するかは、官民共通の問題意識ですが、労働者の中には、自己の優れた能力を、給料の増で評価されるのではなく、休日の増で評価されたいと思う人もきっといるはずです。また、現状のような不況下だからこそ、限られた「公的仕事」をより多くの人たちで担っていくという発想も成り立ちます。
休みがたくさん欲しい、介護を必要とする家族がいる、障害者であるのように、長時間労働に不向きな方々であっても、区職員としてその能力を発揮してもらえる場の提供を模索していくことが、民間でないからこそ許される役所の労働環境における意義だと思います。
色々な意味で、労働弱者である方々をより多く役所が、適切な労働力として吸い上げていく中にあって、地域の問題は少しづつ改善の方向を見せてくると思います。
今後の雇用に関しては、様々な形態を模索しつつ、公的であることの意義を充分発揮してください。
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だいたいの発言内容は以上のようなものでした。
私の考えの中には、公的仕事とは、広く浅く多くの人たちも担っていくことだと考えます。
それが公的仕事というもので、一部の特別な人たちだけが独占的に長期間担っていい仕事だとは思いません。
首長の多選を批判したり、多選を禁止しようとする発想は、同じ根っこから出てきたものです。
また、今は世間であまり語られない発想ですが、一族で公務員を独占しないように、例えば2親等以内の親族が、同じ職場の公務員である場合は、公務員になれないなどのような制限を持つことを念頭に置いています。
同時に、役所はある意味、民間の手本となるような公的意義を実現する労働環境で無ければなりません。そのためにも、労働弱者である障害者などは積極的に雇用していく必要があります。
たとえが不適当かも知れませんが、徴兵制とは、兵役という公的に必要な業務を広く薄く国民全体で担う作業だとも考えられます。
同様に、裁判員制度も、主旨とすれば、公的な裁判を維持するために、国民が広く薄くその任を担っていく、意義深い制度なのです。(私は、現状の裁判員制度を支持しますが、それに満足せず、陪審員制度をより良き制度として強く支持もしています)
私は、これからも、「公的な仕事とは何か」を広く多くの方々に問い続けます。
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2009年04月22日