田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

全裸から見える抗議活動について

 4月23日、公然わいせつ容疑で人気グループ「SMAP」の草なぎ剛氏が逮捕されました。どうやら深酒により、公園で全裸になったため、こんな騒ぎになってしまったようです。
 ついこの前、飲酒により人生を棒に振ってしまう人が後を絶たないという日記を書いたばかりだというのに、「またか」という気分で一杯です。

 さて、この公共の場所での全裸についてですが、時々、外国事情について報道される番組などを見ると、世界には様々な人がいるのだと感心します。



 今年の3月には、フランスの棒高跳び選手ロマン・メニル氏が、競技用のポールを持って裸でパリ市内の観光スポットを走り、その姿を動画に収めて公開しました。スポンサーを募るために注目を集めるのが目的だったというのです。



 また動物のように、普段から全裸で過ごす人が、外国にいるとのTV番組を見たことがあります。個人の自由なライフスタイルを追求したいという思いからでしょうか。



 また動物愛護団体に所属する人たちが、裸になって抗議する報道が、時々流れます。

 Googleで「裸」と「抗議」を同時に検索すると、類似する情報は簡単に手に入ります。
http://www.google.com/search?q=裸   抗議&rls=com.microsoft:ja:IE-SearchBox&ie=UTF-8&oe=UTF-8&sourceid=ie7&rlz=1I7GGIH_ja



 公共の場所で裸になることは、確かに犯罪です。
 しかし、裸になることで注目され、政治的主張(個人の自由な生活スタイルとしての主張も含めて)に対して、世間が注目してくれれば、その行為の善し悪しを判断するのは、法律ではなく、世論だと思います。
 裸になるとは、目的でなく手段です。
 その行為は、法律違反かもしれません。しかし、主旨は理解すると言う人たちが増えることを期待しての全裸なのです。



 よく裸にならなくても抗議活動はできるじゃないかと発言をする人がいます。
 邪推ですが、そのように優等生的発言をする人は、実際に抗議行動などしたことが無い人に違い有りません。
 世の人たちに知ってもらうためのパフォーマンスに、どれだけの人が苦労しているか、体験上知らない人です。
 インパクトがない抗議活動に、誰が注目するというのでしょうか。
 少なくともマスコミに取り上げられるぐらいでないと注目されたとは言えません。

 裸にこそなりませんでしたが、かつて私は、高速道路の料金を支払わないという抗議行動をする団体に所属し、実際に、高速道路料金を支払わなかったりして、活動を続けてきました。
 その活動はマスコミにも取り上げられ、世論には賛否両論ありました。

 当時は法律に違反する行為では無かったにしろ、今では法律に違反する行為ですし、お金を払うべき事に対してお金を払わないとはどういう事かと多くの批判を受けました。
 その結果、通行料金を支払わなかったという直接的な行為では無いにせよ、共謀共同正犯という考え方により、同罪の疑いをかけられ逮捕され、4ヶ月間も勾留されつづけたわけです。
 それでも、今、高速道路料金は、とても安くなり、多くの人たちに喜ばれています。

 もし私が、通行料金を支払って抗議をしたところで、誰が注目したのでしょうか。
 私は区議会議員として、地域で様々な政治的発言ができますが、政治家でもない一般人が通行料金を支払って抗議したところで、その主張に誰が注目したでしょうか。
 動物愛護団体の人たちが、全裸にならずして、動物を虐待する行為に反対したとして、それに誰が注目するのでしょうか。



 現実は、誰も注目しません。



 世界中を見渡せば、抗議行動と称して、公道にて焼身自殺する人だって、いるのです。
 世界の人たちは、やることなすこと、日本人に比べて激しすぎるのです。
 世界的に見て、「日本人がおとなしい」と言われる原因は、様々な社会的な不満を持っていても、それを抗議行動として表現することなく黙ってしまうからです。
 ギリギリのところで、自分可愛さに主義主張を曲げてしまうのです。

 私はそのフラストレーションが、自分自身に対する「罰」(=自殺)の多さにつながっているのではないかと想像しています。
 社会を変えることができないという絶望が、自分を変えるという力学に変わり、社会からの逃避、つまり自殺を選択させるのでしょう。

 それでも日本の歴史を少しでも調べれば、時に犯罪者となり、命を賭してでも抗議行動をした尊敬すべき先人がいました。
 私たち政治家は、そのような偉大な活動家の存在を忘れてはなりません。

 佐倉惣五郎(さくら そうごろう)は、江戸時代前期において、貧窮について将軍徳川家綱に直訴しました。その結果、惣五郎夫妻は磔となり、男子も死罪となったそうです。

 明治以降では、田中正造が足尾銅山の鉱毒被害を明治天皇に直訴しようとしました。直訴自体は警備中の警官に取り押さえられて失敗に終わりますが、本人は死を覚悟して、なおかつその害が家族にまで及ばないように、妻には事前に離縁状を送ったそうです。

 さて、政治家として犯罪者となってでも世の中を変えることに貢献することが良いのか、
 それとも様々な職歴を経験し、立派な政治家にはなったけど、世の中の変化に何も貢献できずに終わるのが良いのか。



 私がどのようなタイプの政治家を目指して活動しているのか、
少なくとも支持者の皆様にはご推察いただけると幸いなのであります。

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2009年04月23日