後生において世界遺産となるような建築物とは
スペインに来ています。
基本的に私は箱物行政は反対です。それでも、世界遺産に登録されるような建築物に触れると、あえて自分の意見に対する反論を考えたくもなるのです。
アルハンブラ宮殿を見てきました。写真は、夜のライトアップされたアルハンブラ宮殿です。
アルハンブラ宮殿は、9世紀に建てられた砦が原形となっていて、13世紀になると大きな拡張工事を受けたりしながら現在の形になりました。
このような歴史的建築物を見ると、当然、当時の人たちは過酷の税を取り立てられ、厳しい労働を強いられながら、このような宮殿作りに参加したことでしょう。
庶民の生活を苦しめるとんでもない建築物が、当時のアルハンブラ宮殿だったのかもしれません。
しかし、今となってみると、この宮殿があるグラナダの地は、多くの観光客が来て年中賑わっています。
多くの利益をその地に還元しているのです。
つまらない箱物をポンポンと数多く建てるのは愚の骨頂でしょう。しかし、時に国家が滅ぶかもしれないほど贅を尽くした建物とは、後世の人たちに誇れるほどの建築物を遺産としてプレゼントすることになるかもしれないのです。
民主主義の世の中にあってそれは難しいことですが、過去の独裁者たちはそうやって、世界遺産のような建築物を作ってきたわけです。善し悪しは別として。
そんなことを思いながら、この世界遺産を私は見つめて来ました。
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2009年04月29日