豚インフルエンザ騒動から見える日本人像
海外へ行くと、日本とは、日本人とは何かと言うことがよく分かる。
愛国心という右翼チックな思想も、国内にいると意識しないが、一歩日本の外へ出てしまうと、意識する。
在日外国人は何年日本に住み続けようとも、決して母国を忘れることはない。
卑俗な例だが、WBCにしろ、ワールドカップにしろ、日本と母国が戦った場合、どちらを応援するかと問われれば、間違い無く母国を応援することだろう。
それはその通りなのだ。
自分だって、同じ立場ならばそうするに違いない。
自分がどれだけ、オーストラリアが好きで、タイが好きで、スペインが好きでも、そのような国際試合にあっては、間違い無く日本を応援する。
在外日本人ではないが、旅行好きで日本を離れることが多い私ならば想像はできる。
当たり前のことと言えば、当たり前のことなのだ。
さて、日本人とはどんな民族なのか。
今回の豚インフルエンザによって、海外旅行を断念する人がとても多かったらしい。
そう。海外におけるトラブルに対して、それを一番極端に避けようとするのが日本民族のようだ。
スペインは、そもそも日本から遠く離れた場所だったので、それほど日本人を見かけることはなかった。
日本人どころか、最近増えてきた韓国系、中国系などのアジア人も見る機会が少なかった。
スペインのロンダという町を歩いていると、現地の若者が車から身を半分乗り出して、私に対して、「おはようございます」と大声で叫んで、通り過ぎていった。どうやら、私は充分日本人に見えるらしい。
インドでは、「こんにちは。アニョハセヨ。ニーハオ」と立て続けに声をかけられ、どの言葉に反応するかで、すぐさま何人かを判別しようとするインド人によく会った。
彼らから見ても、私はインド人ではないアジア人には見えるようだ。
そんなアジア人が、スペインでは少なかった。
タイでは、日本人が少ないと言うことは無かった。
しかし、報道などを見ると、昨今続く政情不安から、タイは日本人にとって避けられる国の一つになっているらしい。確かに、クーデターやデモが頻繁に発生する国としてのイメージは、そう簡単にぬぐい去れないだろう。クーデターの時は、公道を戦車が走っていたというのだ。
まるで歴史上の何年前の話を聞いているのかと思うぐらい前時代的なことが今でもタイでは行われている。
それでも、人が死ぬと言うこともなく、平和にクーデターが行われたというのだから、全くタイは不思議な国である。
でも、そのような国に、日本人は行かない。
かつて、私がオーストラリアへ行ったとき、ニューヨークのテロや鳥インフルエンザやSARS(サーズ)が流行ると、極端に日本人旅行者が減ると現地の日本語新聞には書いてあった。
本当に、トラブル嫌いなのだろう。
だからなのだろうか、中東の戦地のような場所に行って、人質として捕まった日本人に対して、同胞でありながら、これでもか、これでもかと攻撃を加える心理を日本人は共有している。
自業自得だとか、日本の恥だとか、ありとあらゆる言葉で、苦しい立場の同胞を攻撃する。
あーやはり日本人はどんなに海外へ行くようになっても、島国の人間たちなんだ。
ロンダでは、タクシー乗り場で、もう何ヶ月、いや一年以上旅行しているという女性と会った。
彼女から声をかけてきて、もしも同じ方向だったらあいのりしませんかというお誘いだった。
町に着いてから、宿も決めていなかった私は、彼女が泊まるという宿と同じ宿に泊まるのも良いだろうと思い、タクシーに相乗りして、その宿まで行った。
その後、彼女とは別れて、翌朝、朝食会場でちょっと顔を合わせるだけだったが、海外に行くと、この様にたくましい女性に会うことが多々ある。そう。海外へ行くのは、圧倒的に行動的な女性たちなのだ。男性は海外へは行かないのである。
これからの日本を支えているのは、この様に活動的な女性たちかもしれない。
国際的に見て、日本人女性がとてももてて、日本人男性がもてないということをよく聞く。
恋愛偏差値が高い日本人女性と恋愛偏差値が低い日本人男性の構図だ。
国際化すればするほど、日本人男性は彼女を見つけることもできないし、結婚もできなくなってしまう。
自殺をするのも日本人男性は多いし、このままだと日本人男性は国際社会からいなくなってしまうかも知れない。
今からでも遅くない。
日本人男性を「絶滅危惧種」として認定し、早々に保護し、優しく接する対象とするべきだと日本人女性に訴える。
まー、このようなジョークを言っても、全然耳を貸してくれる人はいないわけで、我田引水となる話では、誰も同情してくれないのも、また日本人である。
どうせ旅するならば、ちょっと危ない、計画を建てないぐらい旅の方が、いい経験にはなりますよ。
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2009年05月07日