田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

高速道路料金の「土日祝」1000円化について

 これについては何度もお伝えしたように、私は全面無料化論者であり、
現状において多々問題はあるにせよ、一歩前進ということで、
大いに認めようじゃないかというのが、私の立場です。


 以下は、この前提を押さえた上での提案です。
 今回、私は高速道の利用の実体験も含めて、東京、新潟間を一泊で行ってきました。
 国内における地方の観光業は、高速道路料金が下がる土日祝と、宿泊する観光客の関係で、その前後1日は比較的賑わうことでしょう。高速道路料金の1000円化は地方の経済に対しては、貢献していること事実を予想できます。
 それは否定しません。ただし、この誘発された日本人の行動が経済に対してはどのように働くのか、考えてみました。


 観光業とは、地域経済にとって、宿泊を伴ってこそ初めて、大きな経済効果が生まれます。以前、倉敷に行ったときに行政の人が言っていた、観光地には、「通過型の観光地」と「宿泊型の観光地」があって、倉敷は、通過型から宿泊型へと脱皮したいのだという切実なお話を聞きました。
 宿泊して、多くのお金と時間を現地に費やしてくれる観光客が良い客だとすれば、そのような宿泊型の観光をする客をいかに多く確保するかが問題になるわけです。


 しかし、休日前に集中する宿泊型の観光客というのは、人気店の場合、最初からある程度客が見込める日なのです。だからこそ、平日を安くして、金土のような休日前を高くする値段設定をしている宿は非常に多いのです。
 今回、土日祝の高速道路1000円化では、土曜日宿泊する客が、往復高速道路の大幅割引の恩恵を受けます。それはそれで良いのですが、この土曜日は、宿泊業者側から見れば、最初から「混んでいる日」なのです。混んでいる日にどんなに客が増えても、100%を超えて宿泊客を泊めることはできません。
 その分、不人気店にまで客が来るようになる可能性が高くなるので、業界全体としては、活気づくでしょうが、人気店からすれば、さほどの効果は認められないでしょう。
 むしろ、客が少なくなる平日の宿泊者数をいかに増やそうかと考えれば、その分だけ、宿泊利用者にとっての「お得感」を演出する必要性があるのです。
 そのための、平日割引料金の導入をして、薄利多売によって宿泊者数を確保しようとする宿側の思惑が見えます。


 つまり、今回の土日祝の高速道路料金1000円化は、より多くの人たちが休む土日祝日にそれを設定したので、より多くの人たちがその恩恵に与る一方で、それほど多くの宿泊者数増を見込めないことから、経済効果に対する寄与分は小さいと見るべきでしょう。
 宿泊業者からすれば、客が少ない平日の空室を埋めるためには、さらなるインセンティブ(行動を誘発させるような原因)を作って欲しいと望むのではないでしょうか。
 だとすれば、土日祝に高速道路料金1000円化をするのではなく、逆に平日に高速道路料金の1000円化を行った方が、より大きなインセンティブが、平日宿泊者に対して生まれるわけですから、今よりももっと平日の空室率が下がる可能性があります。
 需要と供給の関係を考えれば、需要が高い時期には値段を高くしても売れる。需要が低い時期には値段を下げて売る。これだけのことです。


 それにも関わらず、土日祝の高速道路1000円化を実現している現在の観光実態は、確かに観光客は増えたけれども、そのほとんどは宿泊型ではなく、通過型つまり日帰り型がほとんどであり、思ったほどの経済効果をあげられていないのではないかという可能性があるのです。


 日本の温泉文化は、世界の名所旧跡・テーマパークなどと比べても、大きな観光的魅力にあふれています。この日本文化に触れようとしたとき、それが適正料金で供給されるのであれば、決して、海外の観光地に対して、コストパフォーマンス的に見劣りはしません。
 高速道路料金の高騰は、日本の観光業に大きなダメージを与え続け、観光客を海外へと追いやってしまっていました。日本人観光客が海外に行くのは、海外が好きだからだけでなく、国内観光が高いからという料金的な理由からも、拒否られていたのです。
 内需拡大をするのではなく、折角貯めた日本人の財産を、近視眼的かつ無策な国策誘導により、外国へ行って散財し続けてさせてきたのです。


 日本の温泉文化を中心とする観光業は、とても魅力的です。知られていないだけで、世界に通用する観光業と言っても良いでしょう。だからこそ、その魅力をより多くの日本人・外国人に知ってもらうためにも、平日にこそ高速道路料金の1000円化を実現すべきだと、私は考えます。



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2009年05月31日