田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

いくらもらえれば、何年間の拘留に耐えられますか。

読売オンラインより
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 「無罪を言い渡すべき新たな証拠だ」。
 栃木県足利市で女児が殺害された「足利事件」で、無期懲役が確定していた菅家(すがや)利和さん(62)が、1991年12月の逮捕以来、17年ぶりに刑を解かれ釈放されることになった。
 4日中に服役先の千葉刑務所を出る。裁判のやり直しを求めた再審請求の即時抗告審で、検察が無罪を認める異例の判断を下したためだ。菅家さんは先月、無罪につながるDNA再鑑定結果を弁護団に知らされた際、「ありがとうございました」と涙を流したという。
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 私が留置場に入っていたとき、同じく留置場に入っていた人たちと、「いくらもらえたら、何年間入っていられますか」という議論をしたことがあった。
 通常、大金を手にしようと思えば、長く入っていなければならないとして、「一年間だったらいくら」、「二年間だったらいくら」という発想だ。
 この議論の面白さは、欲深になって、大金を手に入れようとして、「100年入って、100兆円」のような発想ができないことにある。なぜか。100年も入っていたら、本人は死んでしまうからだ。遺族に相続できないと仮定して発想すれば、100年間拘留されつづけるという発想自体できない。
 その人の寿命との兼ね合いから言って、どんなにその人が若くても、せいぜい50年以内が、妥当な拘留期間だろう。それを超えて拘留し続けるとすれば、それは事実上の終身刑となってしまう。
 しかし、出所したときは、その人自身は既に70歳を超えている。その時、どんなに大金を持っていたとして、その人自身の人生を振り返ったとき、「それで良かった」という気持ちになるとは到底思えない。

 そう考えると、苦役に耐え、対価としての大金を手に入れても、過程として自分の人生をそれなりに謳歌したいと思えば、自分が許容できる拘留期間は自ずと常識的な範囲内に定まってくる。
 私が話をした相手は、たしか5年で5億円だったら、拘留されていてもいいと言っていた。5年で5億円である。年収1億円。もちろん無税ならばという条件でだ。そこまでならば我慢するが、それ以上の長い拘留には耐えられないという。
 さて、私ならば、海外に留学した気分で、1年1億円ぐらいだったら耐えられるかも知れない。それでも、実際に勾留され続けた4ヶ月間は絶望にうちひしがれていたから、お金などいらないから勾留されたくもないとも思う。

 一般人のあなたならば、この様な発想をした場合、何年間でいくらもらえれば、拘留され続けてもいいですか。読者の方々には、自分の胸に手を当てて、リアルなこととして考えて欲しいのです。

 さて、無期懲役が確定していた菅家(すがや)利和さん(62)が、17年ぶりに刑を解かれ釈放されることとなりました。あなたが、菅家さんだったら、17年という長き拘留の対価として、いくらもらえれば、納得して、この日本という国を、警察を検察を、多少は許そうという気持ちになりますか。

 時間をお金で買うことはできません。しかし、今はお金でしか、菅家さんに対して、誠意を示すことができる対価はありません。決して、お金では得ることができない取り返しが付かない貴重な時間を、菅家さんは17年間も失ってしまったのです。
 この様な想像力を働かせた上で、菅家さんに対する補償額を考えて欲しいのです。実際には、それほどの国家補償はされないでしょうが、被疑者となって、警察・検察の犠牲になった人に対する思いをぜひ、この場で共有して欲しいと思います。
 心から、お願いします。

 人のやることですから、間違えることもありましょう。しかし、間違えたときは間違えたなりに、真摯に相手のことを思って、充分な補償をすることが、責任ある国家としての務めです。


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2009年06月04日