鳩山代表より、麻生総理が優れているところ
ITmedia NEWS (6/4付け)より
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「このままでは、漫画やアニメ、ゲームの資料を後世に残せない」――「国立メディア芸術総合センター(仮称)」設立に批判が集まっている件で、漫画家の里中満智子さんらが6月4日、都内で記者懇親会を開き、施設の必要性を訴えた。
国立メディア芸術総合センターは、漫画やアニメ、ゲームなどを展示・収蔵する国の施設として2009年度補正予算に117億円の建設費が盛り込まれている、いわゆる“アニメの殿堂”だ。
文化庁傘下の「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」が昨年7月から設立を検討してきたもので、検討会の報告書によると、都内に地上4~5階の施設を建設。運営は民間に委託し、年間60万人の来場者を目標としている。
同施設については、民主党の鳩山由紀夫代表などが国会で、「“国営マンガ喫茶”は不要。税金の無駄遣いだ」などと痛烈に批判。先行きが不透明になっていた。
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民主党の鳩山代表も、余計なことをいったものだ。
国営のマンガ喫茶は不要だとは、同列で、国営の美術館も国営の博物館も不要だとは思わないのだろうか。
日本は、文化的な保護に関して、それも庶民の文化(サブカルチャー)に対する保護育成に関して、「お偉いさん」たちの見識がなさ過ぎだ。
日本は明治期に犯した過ちを、再び犯そうとしている。
江戸時代、春画は庶民の文化であった。それは春画であるからして、性行為を描いた浮世絵である。明治になって、春画は日本における「恥ずかしい文化」であるからという理由で、低俗だと扱われてきた。
しかし、それが海外に出回るようになり、海外で高く評価され、それでようやく日本でもその芸術性を評価するようになったのである。
日本の漫画やアニメも同様である。庶民が楽しむもの、子どもが楽しむもの、という見識を持つ人たちは、低級・低俗だとして、評価の対象にしなかった。それが日本のファンに圧倒的に評価され、海外でも評価され、同時に、ビジネスとしても成功するようになり、やっと少しは、「お偉いさん」たちにも認められるようになったのである。
それでもまだ漫画・アニメに対する認識は浅い。自分たちの文化を、価値あるものとして、肯定できない「自虐的な意識」が日本人の中に多くある。
ここまで人気がなく、私自身も全然評価もしてなければ、支持もしていない麻生総理だが、1点だけその功績をたたえておこう。それは歴代総理大臣の中で唯一、漫画・アニメというサブカルチャーに対して、一番興味関心を示した総理大臣だったと言うことである。
それによって、秋葉原は、象徴的な意味で、日本の中心、世界の中心(これはさすがに言い過ぎか)になったとも言えよう。外国人のあこがれの町は、秋葉原なのである。
時に、一国の総理が、マンガ太郎とバカにされようとも、この1点のみにあって、私は麻生総理を評価する。ただそれだけのことだが、そのことが、「国立メディア芸術総合センター(仮称)」建設のような形で実現し、日本の漫画・アニメ文化をより一層、押し広げられることができるのであるのならば、大いに結構なことである。
「箱物行政に反対」
これもまた結構な話である。しかし、その内容を見極めて判断しないと、鳩山代表のように、糞も味噌も一緒に批判する愚を犯してしまうことになる。
税金の無駄遣いが悪いのならば、「国会議員を全て辞めさせろ」という論理と同じだ。
他山の石としたい。
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2009年06月07日