田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

私の事件に関する論文が、刑法学者から発表されました。

 詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/08-5/matumiya.pdf

 学者が書いた論文なので、内容は、とても難しくなっています。
 一読後、私なりに簡単にどのような内容が書いてあるか、説明します。

 先生の問題意識は、以下の通りです。
 道路公団が民営化されて、民間企業になりました。その民間企業が任意に決めたルールに違反したからと言って、それが法律違反に問えるのかということです。
 つまり、今回、私の事件は、多くの方々が、「高速道路の料金を支払わなかったから、罪に問われたのだ」と思っていらっしゃるようですが、実際の容疑は、高速道路の料金を、旧道路公団が定めた方法に従って支払わなかったから、罪に問われたのであって「料金を支払わなかったこと自体を罪」として問われたわけではありません。

 先生の問題意識は、私が持っている共謀共同正犯以前の問題意識です。
 高速道路の料金不払いが、詐欺罪(無銭飲食など)や恐喝罪ではなく、道路整備特別措置法違反に問われた所以は、ここにあります。
 自分が何者で、連絡先を書いた紙を料金所で渡して、料金不払い運動をしていたのです。旧道路公団が、訴えるのならば、民事事件として、私を含めたメンバーに対して「お金を払ってください」と訴えれば良かったのです。それせずに、無理矢理、刑事事件にするよう働きかけ、立法し事態をますますおかしくしてしまいました。

 わかりにくいので、たとえ話をします。
 もし民間企業の定めた方法に従って、お金を払わなければ、刑事罰に問えるとなると、以下のような事態が発生します。
 お金を貸して、借りた側がお金を返してくれませんでした。このお金を返さないという行為は、「正しく債務を履行している債務者に不公平感を与え、ひいては貸金制度に対する国民の信頼を揺るがす」事態に発展するので、刑事罰に処するというようなものです。
 この様なことになれば、この国はますますとんでもない国になってしまいます。でも、さすがに今のところ、そのようなことは日本ではできません。
 通常は、民事不介入ということで、民事事件に警察は介入しません。できません。それがルールなのです。
 しかし、今までは民事事件として扱っていた事例であっても、今後は刑事事件として、警察は介入しますよという異常事態が許されてしまったのが、今回の道路整備特別措置法なのです。
 しかも、『定められた通行方法に違反して道路を通行すること』を処罰対象にするとしても、その「定められた通行方法」は民間企業が行うのです。刑法にあって、このような罪となる具体的な行為の記述が、民間企業によって、別に定められることを容認するような刑法のあり方は、おかしいということなのです。

 でもなぜ、このような原則を曲げてでも、高速道路料金の不払い運動を刑事事件にしようとしたのか。それは、今回の逮捕劇が、「高速道路を無料化させようとする利用者による運動」を潰すという明確な意志を持った国策捜査だったからです。

 国民意志に対する行政(とりわけ警察・検察)の異常介入が、国策捜査へと発展したのです。

 ここまで説明するとおわかりかと思いますが、元をただせば、旧道路公団を、民営化したこと自体に、実は相当な無理があったのだと言えましょう。同業他社が存在せず、独占的に事業を行ってしまう民間企業が、独自のルールを定めて、その独自のルールに違反した利用者は、刑事罰を科されてしまう世の中になってしまったのです。

「私たちは、高速道路の料金問題から、端を発して、国営企業と民間企業の違い、またその法的権限の違いなどの問題にも、否が応でも考えさせられてしまったわけです。

「人は嘘をつくと、その嘘を正当化するために、100の嘘をつかなければならない」
 それは人も国家も同じことです。
 高速道路の料金不払い運動を刑事罰として処罰したいがために、この国に存在する大原則を曲げてでも、これを(国家にとって都合が悪い事象を)処罰していく運営を認めてしまいました。この様な世の中を、もっと国民本位の世の中に変えていかなければなりません。

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2009年06月09日