田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

委員会視察に関する興味深い議論

 今年、私が所属する福祉健康委員会における視察先がなかなか決まりません。
 視察先については、本会議で諮らなければならず、6月19日(金)の本会議最終日までが、一つの期限となっています。議論をしたのが、6月18日(木)に開かれた臨時の委員会だったわけですから、バタバタした中で、決めてしまおうという意図が見えなくはありません。

 しかしながら、6月18日(木)の委員会の間で開かれた協議会(委員会視察に関する議論は、議事録に残さないので、正式な委員会ではなく、協議会という形式をとって議論することが慣例となっている)での議論は面白かった。議事録に残らない議論なので、そのような場で、議員たちがどのような話をしているのか、ここに書き込む記録から、有権者の皆様には推察していただきたいのです。

 さて、その委員会視察ですが、当初予定していた9月7日(月)スタートという案が無くなってしまいました。それというのも、視察先として正副委員長が考えていた九州の都市では、その日程だとできないという回答が来たようです。そこで日程を変更せざるを得ませんでした。
 結局、正副委員長案として、提案されたのが以下の通りです。
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1.8月26日(水) 長崎県佐世保市(人口 25.7万人)
 地域福祉計画について:「地域福祉」のあり方や、市全体でそれを進めていくための考え方や取り組みについて、市民の参加を得て、実効性のある計画を作るため、市全体の計画として策定する「地域福祉計画」と並行して、市・佐世保市社会福祉協議会・各地区の福祉対策推進協議会が協働して、住民座談会『地域福祉“お茶の間トーク”」での結果を基に、地域住民の行動計画としての『地区地域福祉活動計画』を31の地区ごとに策定している。

 中央保健福祉センター「すこやかプラザ」:子育て・高齢者の支援機能などをはじめ、保険、医療、福祉サービスを総合的に提供するため、福祉事務所や保健所、市立急病診療所、中央地域包括支援センターなどの機能が集約されている。

2.8月27日(木) 鹿児島県鹿児島市(人口 60.5万人)
 子育て施策について:少子化が急速に進む中、子育てを支援する気運を高め、安心して子どもを生み育てやすい環境づくりを進めるために、にこにこ子育て応援隊による子育て支援をおこなっている。この応援隊には、「地域みんなで応援隊」、「職場のパパママ応援隊」、「お出かけラク!トク!応援隊」がある。また、自らの経験等を活かして子育てを支援する『子育てサポーター』を要請して、子育ての悩み相談や各種イベント等での託児、サポートなど、地域の子育て支援活動に活用できる、子育てサポーター事業などの取り組みを行っている。

 親子つどいの広場「なかまっち」:子育て家庭が気軽に集い、交流する場として鹿児島市の中心街にある。育児の援助を受けたい人と育児の援助を行いたい人が会員になって、お互いに助け合う、ファミリー・サポート・センターをはじめ、保育士が常駐し、子どもたちと一緒に遊んだり、お母さんたちからの様々な育児の相談に応じられる。
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 私が提案した大分刑務所が視察先として採用されなかったのは残念ではありますが、これは致し方ないところではあります。

 今回の協議会で自然と議題になったことは以下の通りです。
① 9月7日(月)スタートとして決めていたが、8月26日(水)スタートになったこと。
② 月曜日スタートだったのが、水曜日スタートになったこと。
③ 8月28日(金)の3日目の視察をどうするかということ。
④ 委員会意志の最終判断として、この日程を受け入れるのか、延期するのか。
⑤ 今までとは旅費規程の運用が変わったことについての報告。

①と②について。
 区議会事務局が相手先と折衝する中にあって、他の視察希望地では断られた中にあって、長崎県佐世保市と鹿児島県鹿児島市だけが、視察受け入れを了承してくれた。できればこの努力を最大限考慮して欲しいとの意味合いでした。
 よって、もう8月26日(水)~8月28日(金)で、視察先も他に変更できないという現状であるとの報告がありました。

③について。
 これまでの委員会視察では、3日目の視察については、有志が参加するという形式を取ってきました。しかし、有志とは言っても、各種委員会によっては、ほぼ全員が参加する形での視察となった実績がありました。この3日目の視察を、有志による自主的な視察から、正式な委員会視察にするかどうかで議論が分かれました。
 私は、ある程度の責任と拘束力を持った正式な委員会視察にすべきだと主張しました。これまでは2日目までが公式な視察日程でしたから、共産党さんのように1泊2日で帰ると言うことも無くなるでしょう。共産党さんの主張は、視察は2日目で終わってしまうのに、ただ単に3日目の午前中に帰るためだけに、2泊もする必要はないという主旨なのです。私とは考え方は違いますが、一理あります。
 そこで、どうせ委員会視察として、委員全員が行くのだから、やはり共産党さんにも最初から最後まで視察には参加していただきたいとの思いもあり、3日目の午前中にも視察をするということを、これまでは個人視察の延長で、自主的な有志の立場から参加者を募り、各委員会でその試みがされてきたわけです。
 ですから、この際、今回の3日目の視察は、正式な委員会視察にしようじゃないかという意見が相次ぎました。私もその意見に同調しています。
 それに対して、このような運営を、福祉健康委員会の単独で決めてしまってもいいのかどうか。3日目の視察をすることの合意はできていても、まだ視察先が決まっていない段階で、明日の本会議でそれを決定することはできないという意見がありました。
 それならば延期も考えたら良いではないかという意見もあったのですが、それに対しては、事務局の努力を最大限考慮するという主旨から「延期はなし」という前提で話は進みました。
 結局は、3日目の視察については、今まで通り、個人視察の延長で、有志が集まって行う視察とした次第です。ただし、正式な委員会視察ではありませんが、その他の視察ということで、報告書には書き加えることも確認されました。
 この様な全体的な決定に対して、私は、今回の決定はやむを得ないとしても、来年からの委員会では同様の議論が繰り返されないためにも、委員長から強く委員長会なり小委員会なりに働きかけて欲しいと要望しました。
 それだけでは、要望として弱いかなとも思いますが、少しずつ、少しずつ、あるべき姿に近づけるための主張は繰り返して言いました。

④について。
 総選挙が近いなど、色々な不確定要素があるとはいえ、地方議会は地方議会で、国政には影響されないと言う建前を重視し、委員会視察は延期せず、この日程で行うことが確認されました。

⑤について。
 去年までは、帰路についての交通費を、視察後に個人視察する議員にも、一定額支給していましたが、今回からは、支給しないことになりました。主旨としては、委員会視察とは、出発してから帰ってくるまでが視察なので、帰路を一緒に帰ってこないとするならば、それは帰路の交通費を支給される権利を放棄したものと見なすとのことなのです。
 ただし、事務局見解としては、3日目に東京まで戻ってくれば帰路の旅費は支給する都のことだったので、これはこれで別の問題を生みそうです。
 また、ある委員からは、議員の視察が、職員の視察規定を準用していることが、この様な問題を生んでしまうということから、議員の視察と職員の視察は違うのであり、そこから議論をしなければならないとの意見が表明されました。
 議員は職員と違って常勤職ではないし、個人視察として様々なところへ行って見聞を広げることも仕事なのだからという主旨だと思われます。
 この旅費規程については、運用も含めて、他にも様々な問題と可能性を含みますので、いつか別の機会に話題とします。

 さて、このように色々な議論があったにせよ、当初、予定されていただろう正副委員長案が委員会として、正式に採用されました。あとは本会議での決定を待ちます。
 正式な議事録が残らない協議会とはいえ、各委員から忌憚のない意見が続出したことは良いことでした。委員長も、変に発言を遮ることなく、民主的な運営を心がけていたものと思います。ただし、だから協議会でいいんだということではなく、やはりこの様な議論も、これからは議事録が残る委員会の中での議論にしていくべきでしょう。

 議員による委員会視察一つを取ってみても、このように様々な問題と議論があるということが、有権者の皆様に少しでも明らかになれば、ここで、委員会視察が決まる過程について報告したことも無意味ではなかったと私は思うわけです。



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2009年06月19日