権力者を処罰せよ。司法改革まったなし
やはり私と同じような問題意識をお持ちの方がいました。
それにしても、冤罪事件に関しては、私などが書くよりも、専門家が書いた記録の方が、よほど有意義だと思いますので、弁護士のブログを紹介します。
http://yoshimine.dreama.jp/blog/258.html
吉峯康博弁護士のブログです。
氏が書かれていることについて、私の私見もつけ加えながら紹介します。
(1) 取り調べの全面可視化
(2) 警察官、検察官、裁判官の個人責任の不明確さ
(1)の取り調べの全面可視化は当然のことです。それと同時に、弁護士同席による取り調べの実施。および、取り調べの調書を裁判では証拠として採用しない。このことも重要です。なぜならば、調書を証拠として採用してしまうからこそ、自白中心の取り調べが行われるのです。自白中心の取り調べを行えば、無理な自白の強要は必ず行われます。今は、黙秘権が法的に認められた精神に立ち返って、自白を証拠とはしない、警察当局の犯罪捜査が求められます。
(2)これも行わなければならないでしょう。吉峯弁護士のブログでは、警察官、検察官、裁判官それぞれの個人の責任は、英国では認められるそうです。どんな間違った捜査、判断を示しても、責任を追及されず、常に免罪され続けてきた日本の警察官、検察官、裁判官とは訳が違います。
ただし、相手は公権力を持つ者です。今回の飯塚事件のように、人一人を殺してしまい、自分たちの罪を隠蔽することなど、朝飯前でしょう。
彼らの歩んできた道は、「自分たちは常に正しかった」という間違えを認めない歴史で、塗り固められています。間違えを認めない体質は、事実の発覚を恐れ、とことんまで証拠隠滅を計ることが常です。
個人の責任を追及するにしても、既存の警察、検察、裁判所とは別組織の捜査機関を新たに創設することが必要です。権力者を取り締まるための権力を、我々国民が主体となって作らなければ、「泥棒に泥棒を捕まえろ」というようなものです。とても実現性がある話では無くなってしまう可能性があります。その点を注意しながら、彼らの個人責任を追及していくのです。
飯塚事件に関連して、氏はこの様にも書いています。
「イノセンス・プロテクション・アクト(無実を守る法律)」を作り、誤った判決を防ぐことも国の責任だというのです。
足利事件で菅家利和さんを17年半にもわたって支え続けてきた佐藤博史弁護士は、1000万円を自腹で費用を工面しながら、この裁判に臨んだと言います。
警察、検察、裁判所は、全て税金で運営され、そこに関わる官僚スタッフも全て税金で雇われた人たちです。それに対抗しようとする弁護士が、1000万円も持ち出ししないと、事実の究明ができないとしたら、あまりにも力の違いがありすぎて不公平です。権力は適切に分立させ、均衡と対立と緊張状態に置いてこそ、そこでの国民生活は、平穏に過ごすことができるのです。
力の不均衡を是正するため、公権力の暴走を阻むブレーキ役としての刑事弁護をする弁護士をもっと厚遇しなければなりません。
お金を持っていない被疑者、容疑者、被告人に対して、国選弁護人がつくことはよく知られていますが、その報酬は、「これが弁護士の報酬か」と思うほど少額です。細かい規定があるので、正確に一件いくらという計算方法ではないそうですが、一口10万円に満たないぐらいだそうです。少し「仕事」の意味をご存じの方ならばおわかりでしょうが、それではまともな弁護士活動など、できるはずはありません。刑事弁護は、頻繁に面会にも行かなければなりませんし、裁判に向けて膨大な書類も作らなければならないのです。経費だけでも、10万円などは軽く飛んでしまいます。報酬にもならず、持ち出しばかりになる職業に、良い人材を求めようとするのは、国民のエゴでしょう。刑事弁護人は、ソロバンをはじいてできる仕事では到底無いのです。
よって、国選弁護人であっても、一口50万円ほどの報酬が保証されることが必要です。50万円が高いと思う方もいるでしょう。では、人一人捕まえて、犯人にしようとしている警察官、検察官、裁判官が、どれだけの報酬を税金からもらっているというのでしょうか。それに比べれば、一口50万円の報酬とて、その労力から考えると、私は安いと思います。弁護士だって人間なのです。聖人君主ではないし、ましてやかすみを食べて生活しているわけではないのです。もっともっと厚遇すべき対象者です。
Aという力に対抗するBという力が存在する。そのことが、我々国民の生活を安定させることにつながることだと、是非、ご認識ください。
無罪が確定すると、刑事補償法により、1日あたり1000円以上12500円以下の範囲で補償が受けられます。それにしても少なすぎる額です。高校生のアルバイトよりもまだ悪い。自分を応援してくれた弁護士をはじめとする様々な関係者に、感謝の気持ちをあらわそうとすれば、最低でも1日あたり10万円以上もらわないことには話にならないでしょう。
その財源はどうするのかって。それは無罪の人を有罪にしようと間違った捜査をし、間違った追求をし、間違った判断をしてきた警察官、検察官、裁判官の歳費や退職金から差し引けばいいのです。対象者は事件によって、何十人から何百人にもなることでしょうから、1人あたりの減額分はそれほどでもないでしょうし、何よりも、それにより自分が犯した罪の重さを感じて欲しいものです。
司法改革まったなしです。
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2009年06月21日