アイドル議員で何が悪いの?
6月25日(木)のお昼の番組で、八戸市議会議員の藤川ゆりさんがTV出演していました。
彼女は、世界で最も美しい政治家に選ばれたり、八戸のPRにと言うことで、出演したDVDが何かと話題になった議員です。
若さと美貌だけで議員に当選したという事実認識に対して、彼女を擁護する立場の人でさえ、「そうではない」と反論こともあるでしょうが、認識としては間違っています。
やはり彼女は若さと美貌で当選したのです。
しかし、それの何が悪いのでしょう。
選挙力学において、候補者の存在感は圧倒的な力を持って、有権者に訴えかけます。
どんな政策を並び立てるよりも、有効に、確実に、有権者の心を捕らえます。
選挙がそのようなものでいいのか、というご批判もあるでしょうが、善し悪し論はともかく、選挙とはそういうものという事実を直視した方がいいでしょう。
「選挙とはミスコンテストと一緒だ」
かつては、そんな話も聞かれたことがあります。そう選挙の本質は人気投票なのです。
昔話ですが、赤松良子氏が、文部大臣に就任したときのこと、当時大学生だった私に対して、ある大学教授が、この様なことを言っていました。
「女性がたった一人入閣したからと言って、何が変わるというのか。真に女性の地位向上を望むのであれば、あえて入閣しないという選択もあったはずだ。結局、女性大臣はお飾りで、時の内閣のPRとして言いように使われるだけだ」
この様な内容だったように記憶しています。
でも、当時、私は、それで良いじゃないですか。そう心の中で思っていました。仮に何一つ仕事ができなかったとしても、女性が大臣になる時代になったんだと言うことが、世に「政治家は男性」ぐらいの意識しか持てなかった人に対して「女性も大臣になるんだ」という時代認識を植え付けるだけでも充分だと思っていました。
また、同様に昔話になります。かつて江戸川区議会にも、20代で議員になった女性がいました。彼女に対して、「女の子が一人議会に入ったからと言って、何ができる」とか「もっと議会で活躍してくれると思っていたけど、何もできなくてがっかりした」という話を聞きました。
でも、前述したように、私は存在感そのものでOKだったという評価です。何一つ仕事ができなかったとしても、その後、若い女性議員の進出に勇気を与えただろう、その行動と存在感は、大いに江戸川区政に影響を与えただろうと思っています。
今、世間を騒がす知事は、そのほとんどがタレントあがりの知事です。知名度を活かした選挙戦を戦った結果が当選になりました。それで何が悪いのでしょう。
米国にあっても、カルフォルニア州知事を務めるアーノルド・シュワルツェネッガーは一流の俳優でした。
バラク・オバマ大統領にしても、タレントではないですが、黒人であるという圧倒的な存在感が選挙戦に大きく影響を与えたことは間違いありません。
何度も言うように、選挙は候補者の存在感なのです。
存在感さえあれば、選挙(選挙の種類にもよりますが)は比較的簡単に当選できます。
しかし、その後の政治家としての業績、評価は別です。当選してから、その後については、厳しい有権者の評価の目にさらされ続けます。
私はそれでいいと思っています。有権者の声を代弁したとすれば、
「当選はさせてあげるけど、しっかり仕事してね。そうでないと次は別の人に投票するかも知れませんよ」
こんな感じです。
かつて私は「若い」というだけで当選させていただきました。今現在、4期43歳になります。これまで、それに見合った仕事ができたかどうかは、有権者の判断にお任せしますが、一番最初に当選させていただいたことを思い出す度に、今の自分が、若い新人の当選するチャンスを事前に摘んではいけないと思うわけです。
選挙戦だからと言って、特別なPRをしなくても、日頃忠実に仕事をしていれば、当然、次回の選挙も当選できるのが現職のはずです。
現職であるのに、選挙直前に明らかに選挙を意識した事前ポスターを町中に貼るのはどうなんだろうとずっと私などは懐疑的でした。新人はともかく、現職ならば、そんなことをしなくても当選できなければいけないと思っていました。
都議選に新人候補者としてチャレンジしたときは別ですが、区議会議員選挙において、私は、事前ポスターを町中に一枚も貼ったことはありません。それでも当選し続けてこられました。事前ポスターを貼らずに、現職で当選したのは、多分、私だけでは無いでしょうか。これは私にとって、密かな誇りでもあります。
とにかく新人の頃は、法に触れない限り、何をやっても当選すれば良いんです。有名人だろうが、若くて綺麗だろうが、そんなことは関係なく、ドンドンチャレンジすればいいと思います。
アイドル議員、結構じゃないですか、藤川ゆり議員の存在が、どれだけ八戸市をPRしたのか、その宣伝効果は計り知れないものがあると思います。この成功例から学べば、他の自治体でも、大いにアイドル議員を選出して、ご当地を大いにPRすれば良いんです。
今まで選挙に行かなかったような人が選挙に行って投票率が上がったと効果もあったと聞きます。
政治の世界は、素人参加を前提としています。誰が政界進出しようとしたとしても、立候補を拒む理由はありません。有権者に認められさえすれば、今からでも誰にでも可能性は開かれているのです。
潜在的な候補者となる分母が大きな選挙の方が、活気があって、活力があって、きっと面白い選挙、しいては議会になると思います。
世の中の色々な自治体で、これからもアイドル議員は誕生するでしょうし、私はそれを歓迎します。
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2009年06月25日