「98円の消しゴム万引き…懲役2年 岐阜の70歳に判決」
asahi.com 7月14日(火)より
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長男に手紙を書くのに使おうと98円の消しゴムを万引きしたとして、常習累犯窃盗罪に問われた岐阜市に住む無職の被告の女(70)に対し、岐阜地裁は14日、懲役2年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。過去に盗みを繰り返していたための同罪適用で、宮本聡裁判官は「息子さんに連絡し、今後どう生活するか考えて」と説諭した。
判決などによると、女は万引きなどの前科がある。1月に刑務所を出所後、生活保護を受けてアパートで一人暮らし中、月に1~2回、石川県の長男に「元気にやっている」と手紙を出していた。
手紙は鉛筆で下書きしており、「消しゴムがあれば便利」と思い、岐阜市のスーパーでポケットに消しゴムを入れたところを保安員に見つかり、現行犯逮捕された。
逮捕後もスーパーの店長や検察官、弁護人あてに「二度と悪いことはしない」などと手紙を書き、弁護人も公判で高齢であることへの配慮を求めたが、執行猶予は付かなかった。宮本裁判官は「被害は少額だが、手慣れた犯行で実刑は免れない」と述べた。
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この様な事件を聞くと、もうこれは警察・検察・裁判所の仕事ではないとつくづく思います。
彼女を刑務所に入れることがルールなのでしょうが、人一人の老後として考えれば、彼女に必要なのは、適正な老人福祉施設です。
本人は「二度と悪いことはしない」と言っていますが、お金が無くなれば、きっと再犯を重ねるでしょう。でもそれは真に彼女の責任なのでしょうか。充分な福祉的対応をしてこなかった行政の責任だと考えた方が私は妥当だと思います。
逆に言うならば、現行の福祉制度がますます悪くなれば、もっと同じような老人が増えてきてもおかしくないと言うことです。
これまでも日記で何度もお伝えしていますが、これからは老人の犯罪(貧困を原因とした)と自殺が増えます。高齢化社会になれば、間違い無く増えていきます。
私は自分が警察に捕まって、留置場に4ヶ月も入ってつくづく思ったことは、福祉における最低限の仕事とは、貧困を理由に人を自殺に追い詰めないことと、貧困を理由に人を刑務所に送り込まないことだと確信しました。
この事件は岐阜県で起こったようですが、岐阜県の行政マンは、この様なお年寄りが自分の自治体にいるということを恥ずかしく思うべきでしょう。
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2009年07月15日