トゥールスレンに行ってきました
トゥールスレンとは、カンボジアの首都プノンペンにある、かつて虐殺が行われた施設および場所である。
施設は町のど真ん中にあるので、多少遠くても、ホテルから歩いてなくもない。私は約1時間歩いて、ここに到着した。
ちなみに道案内として役立ったのは、アンドロイドのスマホで、電話としてもインターネットとして使えなくても、カーナビのような地図で案内してくれるので、とても助かった。
多分、世界中、どこを歩くにしても、これからはスマホを持って歩けば、道に迷わずに済むのではなかろうか。
さて、そのトゥールスレンは、今や虐殺博物館となって、広く一般の人たちに開放されている。
私は入場料2ドルを払って、中に入った。
何の説明も無しに中を歩き回るのは良くないので、入口まで戻って、有料ガイドを雇った。6ドルだった。
大学院生かと思えるような女性だった。
私のつたない英語力ではあったが、説明を聞きながら回ったので、理解の一助にはなった。
かつては小学校だったというその施設は、確かに小学校らしい施設も残っていた。鉄棒などは、日本でも広く見られる遊戯具だ。
かつて哲学者のミシェル・フーコーは、学校と刑務所は似ていると言った。つまり社会に適合しない者を、社会に適合するように調教して、世に送り出す施設としての、学校と刑務所だ。
職業柄、学校訪問はよくするが、社会から期待される機能としては、確かにその通りだろう。
しかし、たった一つ違うのは、ここに収容された2万人の受刑者は、そのほとんどが生きて出てこられなかった。そう、この場所は、人間を調教して社会に送り出す施設ではなく、人を殺すことを目的とした施設だった。
ちなみに、ここから生き残って出てきた人は、たった8人だけだった。
2013年08月24日