民主党批判が有効とならない選挙
まずは私が信じている命題をいくつか紹介しましょう。
政権与党がしっかりしている場合、平和的な政権交代は起こらない。
政権与党がしっかりしていない場合、はじめて野党には政権交代のチャンスが生まれる。
政権与党がしっかりしていなくても、政権与党は選挙に勝ってしまう場合がある。
政権交代は、野党に対する期待ではなく、政権与党に対する失望から生じる。
この日本において、1993年に細川内閣が誕生して以来、16年ぶりに政権交代が起きようとしています。
でもそれは民主党が支持されたからではないでしょう。
自民党が支持されなくなったから生じた事なのです。
民主党に対する支持と自民党に対する不支持とは、表裏一体で同じ事を言っているように聞こえるかも知れませんが、主体が違います。
政治の世界は、あくまでも政権与党が主役なのです。
ですから、正確な世論の分析とは、自民党支持者と、反自民党勢力が大勢を占めているという認識です。その反自民勢力がたまたま野党第1党にある民主党に集中しているということなのです。
決して、民主党が支持されているわけではない。ここを見誤ってしまうと、民主党はおごり高ぶり、仮に政権交代が行われたとしても、短命内閣となってしまうことでしょう。
いわゆる右翼は自民党を支持するが故に、徹底して民主党批判をします。個別具体な主張の中には、私の考えと近い主張もありますが、今ここで、民主党批判をしたところで、それがどれだけ世論に影響を与えるのかを考えれば、微々たるものでしょう。つまりどれだけその批判が的確であったとしても、自民党支持にはつながらないのです。
民主党に対する批判は、まったくもって有効ではありません。
なぜならば、自民党に対する失望は、民主党批判によって回復しないからです。何度も言うように、主体は自民党であり、自民党だけで完結させるべき政治の舞台に、民主党を取り上げ、民主党を激しく批判すれば批判するほど、民主党を目立たせ、そこに反自民勢力を結集させるだけの効果しかありません。
今、自民党がすべきことは、民主党を批判するのではなく、自分たちの何が国民の失望を買ったのか、それを冷静に分析し、失望を期待に変えるべく愚直な政治姿勢を実行することなのですが、あと一ヶ月で選挙が行われるという今となっては、時既に遅しであります。
これも私の持論です。
政権与党が、野党を批判対象にし始めたとき、それは政権末期を意味する。
正に今の、自公政権はこの状態にあります。
政権交代は、起きるべくして起きるのでしょう。
もしそうなったとき、自民党は、なぜ自分たちの政治姿勢が国民から共感を得られなかったのか、よく反省すべきです。
是非、健全なる野党に成長していただきたく、私は「野党の自民党」に大いなる期待を持つ者です。
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2009年07月26日