政権交代可能な野党の存在が民主主義を保証する
今回、16年ぶりに政権交代が起きた。それによって、民主党を中心とする政権ができようとしている。
国際政治に関して、私は常々、野党に注目していた。まずは野党の有無について。次に政権交代可能な野党の有無について。
ここでハッキリさせておかないといけないことがある。中国・北朝鮮のように一党独裁により、野党が存在しない政治体制では、決して民主主義は保証されないということだ。
だから、日本国民とは明らかに異なる価値観で運営されている国に対しては、一定の警戒感をもって接しなければならない。
日本は野党が存在こそすれ、長らく政権交代は起こらなかった。よって、自民党による永久政権とも思えるような政権運営が続いていた。
しかし、それも今回の総選挙によって、永久政権などではないことが証明された。
さて、今回の表題である「政権交代可能な野党の存在が民主主義を保証する」という命題である。
私の提案が正しいとするならば、国会においては、多少野党優遇策を採用しなければならない。
中国・北朝鮮は野党が存在しないので論外であるが、議院内閣制において、与党とは多数派のことを意味し、野党とは少数派を意味する。
野党、つまり多数派とは意見が異なる政治的な集団、または個人に対して、どれだけ発言機会を保証するか、それこそが民主主義のバロメーターになるだろうということだ。
自民党はこれまで全く野党経験がなかった。つまり野党がどれだけ民主主義に寄与してきたかを理解できなかった。
与党による与党のための政治を行ってきただけで、その影にある少数意見を把握に努めてこなかった。その不満が積もり積もって、政権交代となったのである。そのことを忘れてはいけない。
与党であれば、少数意見など無視することはたやすい。しかし、それは将来の選挙において、今回のような政権交代にでもつながりかねない禍根を残すことになると学習すべきであろう。
長らく政権政党にいると、それができない。
政権を取った民主党には、是非、少数者に対する議会内の活動保証を数多くして欲しい。それは自民党にはできなかったことである。野党の活動を保証することが、自国の民主主義には必要不可欠であるという信念がないと、なかなかできないことであるが。
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2009年09月08日