高速道路の無料化は、渋滞ばかりに目を向ける事なかれ

　9月19日(土)～9月23日(水)までの大型5連休、通称「シルバーウィーク」におけるマスコミ各社の報道を確認してみよう。

　9/24　朝日新聞
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　ＵＳＪによると、ＧＷ最終日の来場者数は平日並みだったが、この日は普段の週末以上。広報担当者は「天候にも恵まれました」。
　香川県綾川町にある人気店「山越うどん」。２２日には開店前に約１２０人が並び、日中は２時間半待ちの客もいたという。訪れる車の７割以上が県外ナンバー。山越伸一店長（３９）は「高速千円の効果で客が増えたＧＷ並み。うれしい半面、近所迷惑にならないよう気をつかった」。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

　9/25　読売新聞
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　高速道路は１９～２３日、全国で３０キロ以上の渋滞が６６回発生。今年５月のゴールデンウイーク（ＧＷ、２～６日）の５５回を上回った。最も長い渋滞は、下り線では２１日、東北道・佐野サービスエリア（栃木県）付近で発生した６０・１キロ。上り線では２２日、東名高速・大和トンネル（神奈川県）付近で５５・３キロに達した。
　また、１８～２３日の東北・上越新幹線や特急列車などの乗客は計２７５万人で、ＧＷ（１～６日）の２５７万人より７％多かった。東海道新幹線は１９５万人で、ＧＷより８％増。
　日本航空によると、国内線搭乗率は、羽田発ではピークが１９日で９７・４％、羽田着のピークは２３日で９５・７％だった。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

　9/24　毎日新聞
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　ＪＲ本州３社は２４日、シルバーウイーク（１８～２３日）の輸送概況を発表した。速報値によると、利用客は東日本で新幹線が前年同期比３０％増の１７３万人、在来線特急・急行は同３５％増の１０２万人、東海が新幹線で同２５％増の約１９６万人、在来線が同５３％増の１２万５０００人、西日本は新幹線が同約５０％増の１４９万人、在来線が同約４０％増の１４２万人と３社とも２ケタ台の伸びとなった。前年は飛び石連休だったが、今回は５連休で、格安な割引切符が人気を集めたのが好調の要因という。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

　各社の報道を見ると、確かに連休中は高速道路が渋滞したようだが、それによって、他の交通機関が客を奪われたと言うことになっていない。
　むしろ、旅行客が全体的に増えたせいか、高速道路は渋滞になると予想した人たちもいて、JRや航空機は、むしろ営業成績を伸ばしている。

　つまり高速道路の1000円化は、国内の観光事業に大いに刺激を与え、客全体を増やした効果があったと言える。
　高速道路を無料化にすると、渋滞が激しくなると言う心配をよくされる。確かにその現象を否定はしない。しかし、それは同時に観光客が多く国内を巡っている証拠であり、一定以上の渋滞が予想された場合は、それを避けたいという利用者心理として、むしろJRや航空機を使った旅を選択する人たちも増えてくると言うことだ。

　これまで、高速道路関係者による利権によって、不当に我々国民の富を食い物にされ続けてきた高速道路利権であるが、無料化によって、綺麗さっぱりなくなって、その分を、より多くの国民に、「政権交代による配当」として、様々な形で還元していただくことを、私は心から願う。

2009年09月27日