被災地の交通費はゼロに
長年、高速道路の無料化に取り組んできた経験を持つ私にとっては、交通問題そのものについて興味関心が高い。
2013年10月15日から16日にかけて、台風26号に伴い伊豆大島は甚大なる被害を受けた。その後、1日も早い復旧作業が望まれるのだが、このような災害は観光事業に対して、大きな影響を与えている。
被災地とは、時に多くの人が死に多くの人が怪我をした場所である。そのような場所に外部の者達が「遊びに行く」ことは心ない人たちから、不謹慎とのそしりを受ける。遊びに行く人たちも、被災地に遊びに行くことに対して、申し訳ないという気持ちが先行してしまえば、心から遊ぶことはできないだろう。
しかし、現地で観光業を営んでいる人たちからすれば、正に外部の方々に来ていただいて「遊んでもらう」ことによって生活しているのだ。
つまり観光客は正々堂々と被災地を支援する名目で、被災地に「遊びに行けば良い」と私は考える。それによって、いくらばかりかのお金を、真水として現地に落とすことはできるのだから。
しかし、そのためには観光客に対して、被災地に行きたくなるようなインセンティブを行政が積極的に作っていく必要がある。観光客とは現金なもので、何かメリットがあれば、観光地を当初の目的の場所から変更することに対して、さほど大きな抵抗を持たない。
そこで提案する。被災地までの交通費をゼロにしてはどうだろうか。ゼロが難しければ、せめて半額助成などによって、より多くの観光客が来やすいように誘導するのだ。 大島の場合は、最低1泊することを義務づけて、交通費をゼロにする。飛行機も船もだ。観光客にとっては安く旅行が出来てメリットがあるし、大島にとっても、宿泊客がくることで、お金が落ちて現地も潤うだろう。
何も現地にお金を送ることだけが、被災地支援だと私は思わず、いかに現地へ多くの人たちに行ってもらい、少しでも惨状を理解してもらうことが被災地復旧につながるのだと信じている。
2013年11月08日