電話応対かくありなん
とある会社に電話したときのこと。
オペレーターと話をして、私が質問したあとのこと。
「お客様、お調べいたしますので、少々お待ちください」
そして、待たされること、感覚的に2分以上。
私は待ちきれず、電話を切った。
そして、また同じ所に電話をした。
「もしもし、少々、お聞きしたいことがあるのですが、御社では、客から何か質問を受けた場合、どのような対応をしていますか。『少々お待ちください』と言って、長々と客を待たせるのですか。あまりにも長く待たせるので、私は切ってしまいましたよ。そして、今、また同じ所に電話をして、あなたにお話をしているのです」
私は、この様に説明をして、電話先のオペレーターの同僚の接客に対する注意をした。
「少々お待ちください。そう言って、客をどのくらいならば待たせて良いと考えますか」
「1分ぐらいまでだと思います」
「確かに、長い、短いは、受ける人の感覚によって随分と違いはあるでしょう。しかし、待たせる時間が30秒なのか1分なのかはともかく、あまりにも長く客を待たせる対応は感心しません。客から、即答できない質問をされることもあるでしょう。それならば、客の電話番号を聞いて、『折り返しお電話差し上げます』そう言って、一度、電話を切るのが客本意の対応ではありませんか。『少々お待ちください』といって、ずっと受話器を持ったまま待たせられる客の立場にも立ってみてください」
「はいそうですね。誠に申し訳ございませんでした」
「これは、電話対応として徹底すべき対応なので、同僚の皆さん方にもよろしくお伝えください」
「はい、わかりました」
「それでは、私はまた最初から、お話をすることにいたしますね」
そう言って、私はまた最初から、お話をすることとした。
この時点で、また別の問題を思いだし、そのオペレーターに話すことにした。
私が話をしたのは、クレジットカードの会社である。
クレジットカードの会社であることから、当然、クレジットカードの番号の伝達が必要となる。
具体的には、数字の羅列を、4*4の16個続く数字分だけ、最初に相手へ伝えなければならない。
そこで私は、例えば以下のように言った。
「4 6 8 マル」
相手のオペレーターが以下のように答えた。
「4 6 8 ゼロ」
続けて、私が数字を読み上げた。
「マル マル マル 5」
オペレーターが以下のように続いた。
「ゼロ ゼロ ゼロ 5」
「ところで、先ほどのオペレーターとお話したときには、このように復唱されたわけです。間違ってはいませんよ。ただし、これって何か客に不愉快な思いをさせませんか。例えば、『0』の読み方一つにしても、客は色々な読み方をします。私のように、マルという言い方をする人もいれば、ゼロと言う人もいるでしょう。復唱一つを取ってみても、客に何か違和感を与える。不愉快な感覚を与える。このようなことは辞めた方がいいですよ。漢字の読み方一つにしても、間違えて読んでしまう客もいるでしょう。その場合、意味が伝わらない場合は別ですが、その場でその間違いを正し、客に恥をかかせるようなことが無いような対応が、接客としては必要なんじゃないですか」
私の言いたいことを簡単に言うと、客が言ったとおりに復唱せよということだ。もちろん「1」と「7」、つまりイチとシチのように、聞き間違えやすい数字が続くような場合は、しっかりと確認した方がいいだろう。つまり、客の言葉では意味が通じない、よく聞こえなかった場合などは別だが、聴く側に違和感が有ったとしても、しっかりと意味が通じる場合には、「客側の言説に従って、復唱した方が、客にとっての感じはいいですよ」ということだ。
「マル マル マル3」と客が言えば、「マル マル マル3」とオペレーターは復唱すべきだ。クレジットカードの番号のように、明らかにアルファベットが混在しない数字だけの表記が歴然としている場合は、『0』がアルファベットの『O』と似ていることから、『オー』と呼ぶ客もいるだろう。その場合は、客が言ったとおり、「オー オー オー3」と復唱すればいいのである。『7000』という表記にしても、それを読み上げる場合は、『7 ゼロ ゼロ ゼロ』と読み上げる場合もあれば、『7千番』と一気に読み上げる人もいる。それを一つ一つ、自分自身の読み方に変換して復唱するのではなく、客の言ったとおりに復唱することが、接客業なのではないかということだ。
非常に細かいことかも知れないが、このような細かい対応ができている会社と、できていない会社とでは、その印象も、人によっては全く違うものになってしまう。無用な印象低下を招くようなことがないよう、接客を生業とされる方々には、さらなる顧客満足度を高めてもらいたい。
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2009年11月27日