委員長、その仕切りはまずいですよ
昨日、12月3日に福祉健康委員会があった。
委員会は、陳情審査をまず行う。その時のできごと。
第22号陳情は「都立墨東病院の地方独立行政法人化に反対し、都立直営で存続させる陳情」だった。
この陳情に対する意見表明が、以下の通り。
自民・公明は継続。
共産・ネット無所属・一人の会は採択。
継続と採択というように意見が分かれたので、委員長は継続を提案し、全員の了承を取り付けた。
第56号陳情は「現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書提出を求める陳情」だった。
この陳情に対する意見表明は、以下の通り。
自民・公明は継続。
共産は採択。
ネット無所属は積極的に賛成する立場にないとのご意見。
一人の会は不採択。
これも継続、採択、不採択というように意見が分かれたので、委員長は継続を提案し、全員の了承を取り付けた。
第65号陳情は「江戸川区立保育園の民営化を協議する機関の設置を求める陳情」だった。
この陳情に関しては、陳情者を委員会にお呼びして、直接意見を聞きたいという提案があった。
それについて決を採った。
自民・公明は反対。
共産・ネット無所属・一人の会は賛成。
賛成少数により、陳情者の意見を委員会の場で聞かないことが決まった。
次にこの陳情に対する意見表明を委員長から求められた。
この陳情に対する意見表明は、以下の通り。
自民・公明は不採択。
共産・ネット無所属・一人の会は採択。
意見は分かれたが、採択・不採択の意思表示が出たので、ここで決を採り、採択の賛成少数となり不採択となった。
第80号陳情は「江戸川区立保育園の民営化を協議する場を設け検証しないうちは、新たな民営化園を提案しないことを求める陳情」だった。
この陳情は、第65号陳情とほぼ同種の陳情であった。
委員長は、この陳情に対する各会派の意見表明を求めた。
自民・公明は不採択。
共産・一人の会は継続。
ネット無所属は採択。
意見は分かれたが、不採択が多いと言うことで、委員長はこの陳情を不採択にしようとした。
そこで私が発言をした。
「委員長、ちょっと待ってください。第22号陳情と第56号陳情は、意見が分かれたとはいえ、継続という意見があったので、結局、継続になったじゃないですか。何でこの陳情に関しては、委員から継続という意思表示があるにもかかわらず、不採択にしようとするのですか」
それに対し、委員長は
「屁理屈を言うな」
この様に発言した。
この場は、公式の委員会であり、本来ならば、このような暴言は許されるものではない。しかし、私は軽く聞き流し、更に「おかしいでしょう」と食い下がった。
私の主旨は以下の通り。自民・公明が採択・不採択の意思表示をした陳情に関しては、その意志通りの結論を導く。自民・公明が継続の意思表示をした陳情に関しては、その意志通りに継続とする。
この様な仕切りが、あまりにも露骨だったので、それは委員の発言を平等に扱ってないのでおかしいというものだ。さすがにこの仕切りはおかしいと委員長も気がついたのだろう。結局、委員の中に継続を求める意見があった以上、この陳情について結審することが論理的にできないとなって、第80号陳情は継続となった。
今現在、江戸川区議会議員は43名いる。その内、自民党は17名。公明党は13名。計30名の議員が自民・公明の議員である。圧倒的多数を形成する自民・公明の共同歩調(江戸川区議会における議決において、自民・公明の意見が割れることはまずない)の前では、その他の議員がどんなに意思表示をしたところで、まるで相手にされない。
議会構成があまりにも多数に偏って多様性を反映しなくなったとき、議会は議論を避け、数の力でドンドンと審議を進めようとしてしまう。江戸川区議会は、その定型的な悪い例である。選挙による議会構成は、その時その時の結果次第で、いかようにでも変わりうるが、変わってはいけないのは、どんなに多勢に無勢であっても、一人一人の議員の存在を尊重すると言うことである。少数会派であれば、少数会派であればこそ、充分な発言の機会を保証することも、民主主義を機能させるためには非常に重要なことである。
江戸川区議会の現状を報告することによって、今後は、江戸川区民の良識によって、偏った議会構成を改め、バランス感覚の取れた議会構成になることを私は望んでいる。
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2009年12月04日