検察権力の横暴には、誰がチェックを入れるのか
「検察が正義は大間違い」鈴木氏の批判に沸く
1月16日20時9分配信 産経新聞
新党大地の鈴木宗男代表は16日の民主党大会であいさつし、小沢一郎民主党幹事長の元秘書で衆院議員、石川知裕容疑者らを政治資金規正法違反容疑で逮捕した検察側の対応について「検察が正義と思ったら大間違い。間違った権力とは断固戦っていこう」と批判、会場を沸かせた。
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私は民主党や小沢幹事長を擁護する立場にはない。よって、基本的には捜査のあり方を見守る立場である。しかし、そうであったとしても最近の検察権力による小沢氏に対する取り調べのあり方については、疑問を持っている。
今、民主党政権は、志布志事件や富山連続婦女暴行事件のような冤罪を防ごうとして、容疑者の取り調べを録音・録画する「可視化」を行おうとしている。これは明らかに、警察・検察が望まない捜査のあり方である。
警察・検察が正義の味方だと思ったら大間違いという鈴木宗男氏の指摘は正しい。警察・検察は、もっとドライに、「犯罪者を作り上げる国家機関」として国民からは認識された方が良い。よって、当然ながら、冤罪の可能性も十分に含まれた取り調べのあり方を日常的に行っている。
それにも関わらず、そのような可能性を予防しようとする取り調べにおける「可視化」に対して反対をしている。なぜ反対をするかと言えば、彼らがこれまで行ってきた、取調室という密室の中で行ってきた「犯罪者に仕立て上げる行為」そのものが、明らかになっては、都合が悪いからだ。
官僚組織がそうであるように、一度動き出した警察・検察権力は、途中で自らの行動に反省を持ち込むことはしない。途中で自分たちが間違っていたのではないかという検証も行わない。ただ最初に決めた目的・シナリオ通りに動くことを自己目的化する部署である。
民主党は、まだ政権交代から1年も経っていない生まれたばかりの赤ちゃん政権である。望むと望まざるとに関わらず、一党独裁の政治形態を良しとせず、政権交代可能な政治システムの確立を望む人であれば、私は少なくとも、最低4年間は、民主党政権が続くことを願って欲しいし、自分自身もそのような立場にある。
時の検察権力が、自分たちにとって都合が悪い政策を意図的に潰す目的で、政権政党の中心人物に捜査の手を伸ばそうとすれば、これこそ民主的な選挙制度に対する、検察権力の挑戦であろう。民主党関係者には、決して臆することなく、このように不当な検察権力と対峙して欲しい。
民主党が、昔の自民党のように、10年20年も続いてきた政権政党ならば、私も検察に対して違った考え方を持ったかも知れない。しかし、今回の検察の国家権力に対する介入はあまりにも露骨である。日本国の主権者は、検察なのか、国民なのか、その点をしっかりと見据えた上で、民主党は、これからの政治の舵取りをしていくべきだと思う。
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2010年01月18日