田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

t_ken

日刊田中けん

4年間のハネムーンでもいいではないか。

http://www.the-journal.jp/contents/futami/2010/02/post_14.html
二見伸明の「誇り高き自由人として」より


「私は小沢ファンでもないし、民主党支持者でもない。しかし、今日の世論調査を見て、がっかりした。国民のレベルは相当に劣化している。戦時中、『鬼畜米英ぶっ殺せ』と叫んだ精神構造と同じだ。『小沢問題』の一連の報道が『小沢追い落としのための検察のリークだ』くらいのことは察知出来なけりゃ。『検察はつねに正義』だなどと、はなから思いこんでいる、オメデタイ人間は、世界中探しても日本人だけだろう。検察は、『霞ヶ関』の敵であり、『愛しい自民党』を奈落の底に叩きこんだ憎っくき小沢を叩きつぶしたい、そのためには、アメとムチでマスコミを自家薬籠中のものにし、小沢を『極悪人』に仕立て上げる以外にない、と考えたのだろう。全体主義国家の常套手段だ。テレビは視聴率さえ上がれば広告収入は増えるし、親会社の新聞社も、テレビと共同して『小沢叩き』に精を出せば、検察や『霞ヶ関』の覚えもよくなるだけでなく、万が一にも自民党政権が復活すれば、恩を売れるというわけだ。ジャーナリズムの良心なんてひとかけらもない。悪代官と手を握った目明かしとかわら版屋だ」と手厳しい。
-------------------------------
 私も似たいようなスタンスだ。小沢ファンでもないし、民主党支持者でもない。
 しかし、今、マスコミが行っている小沢叩きに便乗して、「ほら検察やれやれ」と言ってしまう国民とは何なのだろうと、疑問を感じている。
 国民が民主党に期待したこと。それは政界における「脱自民党」である。別に民主党改革を支持しての民主党新政権ではない。
 この本質が見えているならば、高速道路の無料化など、個人的には実現されなかった政策もあり残念だとは思うが、努力した結果できなかったマニフェストの責任を一つ一つとりあげたところで、それは民主党政権潰しの作用にしか働かない。
 もちろん、民主党新政権を批判してはいけないなどと言うつもりはない。私も外参権については、「民主党さん、それは違うんじゃないですか」と発言している。連立政権を組んでいる国民新党の亀井静香氏と同じようなスタンスだ。だが、安易な政権批判は、旧体制である自民党を利することになりますよということだ。

 米国では大統領就任後100日間は、メディアが厳しい批判を控えるハネムーンという。政権交代が当たり前のように行われる米国と、16年ぶり、いや細川政権が短命であったことを考えれば、実質史上初の政権交代が行われた日本にあって、100日間は短すぎるというのが私の感覚である。衆議院議員の任期が1期4年間である。それならば、次の解散かまたは任期満了を迎えるまでの4年間までは、ハネムーン状態でもいいのではないかと思っている。民主党政権に対して甘すぎるというご指摘もあろうが、私が重視しているのは、民主党政権に対する甘さではなく、旧体制自民党に対して、これまで同様の厳しさで対峙することによる相対的な対応の違いだと受け取って欲しい。
 自民党は、政権政党で無くなったと言うだけで、別に何ら本体は変わっていない。細川政権後の日本の政界を思い出して欲しい。細川政権誕生によって、自民党が一時的に政権を失ったが、だからと言って細川政権前と後で、自民党の何が変わったというのだろうか。いや、全然変わっていなかった。
 自民党に変革を迫り、真に国民政党としての変化が現れるためには、やはり最低でも4年間の野党経験は必要だろう。いや、国民の利益を優先して考えれば、何も自民党に固執することはない。自民党を草刈り場として考え、新たなる野党第1党を模索する動きがあっても良い。
 日本には、英米のような二大政党制は定着しない。仮に定着したとしても、それは100年後の話であろう。今は、様々な政党が離合集散をして、二大政党らしき政治勢力を作っていく過程にある。
 とにかく、旧体制である自民党は、完膚無きまでに無き組織となってもらって構わない。その上で、民主党に対峙する野党第1党を模索しても国民益には反しない。


 今この瞬間、瞬間だけを見ているとわからないこともある。今となっては細川政権がたった263日間で潰れてしまって良かったと思っている人はどれだけいるのだろうか。民主党に二の舞を演じさせてはならない。赤ちゃん政権である民主党を攻撃することなく、今は4年間じっくり育てるべきであろう。批判はその後で十分できる。
 何かを批判することは、同時に何も言及していない政治勢力に対して、暗に応援しているようなものだと、政治力学の中で気がついて欲しい。
 今は、まだ自民党の旧体制と官僚主義を墨守する検察権力を最大の攻撃対象とすべき時期であると断言しよう。


2010年02月18日