田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
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日刊田中けん

オリンピックでは、国を背負って戦わなくてもいいのでは。

薄らぐ「日の丸」意識
2010年2月24日17時1分 asahi.comより


 五輪憲章に「オリンピック競技大会は個人種目または団体種目での選手間の競争であり国家間の競争ではない」と規定されている。


 しかし、過去の五輪を取材してきて、「日の丸」の重圧に押しつぶされて、最後に実力が発揮できなかった選手を多くみてきた。


 今回の五輪は少し様子が違う。「国家」をあまり意識しない大会になっているのだ。


 フィギュアスケートだけに限ってもそうだ。ペアの川口悠子は2009年1月にロシアの国籍を取得して、ロシア代表として出場、4位に入賞した。長野五輪でエレーナ・ベレズナヤの滑りにあこがれ、コーチのモスクビナに何度もファクスを送り、この道にたどり着いた。越えてきたものは「苦労」などという言葉では表しきれないだろう。「でも、私はコーチがアフリカ人ならアフリカまで行ってましたね」


 ボーダー(国境)を越えることに特別な意識はなかった。


 父が米国人、母が日本人のキャシー・リード、クリス・リード姉弟はアイスダンスで日本代表として出場した。着物や扇子を小道具にした演技に会場が沸いた。


 女子には米国代表として16歳の長洲未来が出場。両親ともに日本人だが、米国に住み、米国人としての出場だ。「私は日本式のルールで育てられた。日本のファンにも応援してほしい」


 スポーツのボーダーレス化は歓迎すべきことだろう。スポーツという言語によって国境がなくなっていく。
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 今、冬季オリンピックが盛大に行われている。
オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない。(第1章6-1より)
 この様な文言があるのだから、選手は何も国を背負って戦わなくてもいいのではと常々思っていた。そのためには、選抜方法を見直す必要がある。
 個人競技においては、JOCが自ら、選抜基準を設けて、選手を選定して出場選手を決める枠を持つとか。4年前の前回の金メダリストは、無条件で出場できるとか。各種スポーツの公式ランキングなどを元に、上位選手でありながら、何らかの事情により、その国の選抜選手に選ばれなかった人をJOC枠で推薦するとか。やり方はいくらでもあるだろう。
 団体戦になれば、もっと簡単だ。チームに国籍が異なるメンバーを入れて、チームを作って、それで国際大会などを戦い、勝てば、オリンピックに出られるという手法はどうだろうか。色々な国のメンバーが集まって作られたチームの方が、国際融和には一役買うのではないか。
 個人戦にしろ、団体戦にしろ、どうしても国別という意識があると、世界中の人たちが、それぞれの国の意識で国粋主義者になってしまう。それはオリンピックが目指したものなのだろうか。
 今後は、積極的に、国を背負わない個人選手や、多様な国籍を持った人間で構成されたチームを出場させることによって、また違った意識で、世界最高のスポーツを、世界中の人たちが楽しめることになるのでは無いかと思う。


 オリンピックと言えども、国際政治における国威高揚を目的する国はたくさんあるだろう。国力と国のプライドを世界に認めさせる場なのだから、多くの国家予算を使って、選手を強化もするのだろう。その財政的な貢献はよくわかるのだが、一歩引いて、国を背負わなくても戦える選手を出場させることで、五輪憲章の意義はより実現に向かうと信じる。先ほどの述べたように、国で選ばれなかった選手はJOCが選んであげればいい。オリンピックをもっと多様で面白いスポーツの祭典にしてもらえると、視聴者の1人としては、うれしい限りだ。


2010年02月27日