数字から証明する江戸川区の喫煙状況
年度 たばこ税(千円) 男性喫煙率(%) 女性喫煙率(%)
11 4,105,393 54.0 14.5
12 4,122,680 53.5 13.7
13 4,104,173 52.0 14.7
14 4,046,602 49.1 14.0
15 4,227,051 48.3 13.6
16 4,306,033 46.9 13.2
17 4,210,400 45.8 13.8
18 4,453,784 41.3 12.4
19 4,491,547 40.2 12.7
20 4,269,726 39.5 12.9
21 4,210,749 38.9 11.9
江戸川区のたばこ税収入は、江戸川区の資料からの引用。
男性喫煙率と女性喫煙率は、JT全国喫煙者率調査からの引用。
これらの数字を見てもわかるとおり、全国的な喫煙率は、漸減傾向にあるというのに、江戸川区のたばこ税はそれほど落ち込んでいない。むしろ平成11年度と比べると増えているのが実態である。
確かに、喫煙率とたばこ税収入との因果関係は厳密なものではない。どんなに喫煙率が低くても、1人あたりのたばこ消費量が増えていれば、当然、税収も増える。逆も真なりで、どんなに喫煙率が高くとも、1人あたりのたばこ消費量が減っていれば、当然、税収も減る。
たばこの値段にも税収と喫煙率は影響を受ける。
これだけで厳密な関係性を示すものではないが、これらの数字をどのように分析するのか。
肯定的な評価をすれば、どんなに喫煙率が下がろうとも江戸川区の税収は減らないのだから、今後、たばこが値上がりしても、江戸川区の税収には関係ないと言える。
否定的な評価をすれば、江戸川区は、全くと言って良いほど、たばこ対策をしてこなかった。そのため、江戸川区限定の喫煙率は下がることなく、10年前とほぼ同一の税収を得ることができた。
私は後者の立場に立つ。特別区たばこ税がたくさんあるということは、それだけ区は、たばこ対策をしてこなかったという証明だと思っていい。
上記の写真は、葛飾区の駅前で配られていたポケットティッシュである。葛飾区はテッシュまで配って、歩行喫煙を少なくしようと努力している。それに比べて、お隣の江戸川区の無策ぶりには、失望を通り越して、嘲笑に値する。
実際、江戸川区は、東京23区で唯一、たばこを禁止する条例を持たない区である。条例が必要なほど、荒んだ状態ではないと区長は言いたいのだろう。「条例が無いことが、江戸川区の誇り」とまで大見得を切る多田区長である。
喫煙の事実を目に見えない虚構として処理している多田区長を有する江戸川区であるからして、我が江戸川区は喫煙者にとっては楽園のような自治体である。これが、たばこ税の収入が減らない原因の一つだと言える。
通常、行政に関わる者にとっては、税収が落ち込むというのは、気分も落ち込むものであるが、ことたばこ税に関しては、逆に税収が落ち込むことが、社会にとっての望ましい姿という価値観を持つべきであろう。
このたばこ税に関する年次推移を、他区の状況とは比較したことはないが、江戸川区単独で見ただけでも、非常に興味深い数字であることを報告する。
2010年02月28日