連休分散化案を「バカ」というなら対案を出せ。
連休分散化へ反発 某キャスター「バッかじゃねーの?」
2010/3/ 4 13:28 Jcastテレビウォッチより
<テレビウォッチ>キャスターの小倉が「バッかじゃね~の?」と大声をあげた。
『祝日』の休みを廃止し、ゴールデンウイーク(GW)などの大型連休を分散する政府プランが3月3日、観光立国推進本部(本部長・前原国交相)の分科会で示されたことへの感想だ。
「会えなくなる」
定着している伝統行事などへの影響もあり、机上プランで簡単に事を進めていいものかどうか……
観光需要を掘り起こし、内需拡大に繋げようという狙い。政府案によると、日本列島を5つのブロックに分け、春は5月第1週の週末から6月にかけ、秋は10月から11月にかけ、週末を絡めて順繰りに5連休を新たに作ろうというもの。
そのかわり憲法記念日(5月3日)、みどりの日(同4日)、こどもの日(同5日)、海の日(7月第3月曜日)、敬老の日(9月第3月曜日)、体育の日(10月第2月曜日)の祝日は名前だけ残し、休みを廃止するという。
現行の大型連休が分散すれば、高速道路の渋滞もなくなり、ホテルや旅館も安く利用でき、需要が生まれるというわけだが……。「地域ごとに休みが異なると取引に支障が出る」との反論も。
さらに例年200万人を集めた『博多どんたく』(5月3日~4日)や、弘前の『さくらまつり』(4月22日~5月5日)なども影響が出るおそれが。
スタジオでは、中野美奈子アナが賛成した以外、小倉のほかコメンテーター全員が反対した。
その小倉は「何のために暦があって休日が決まっているのか分からない」と多少感情的に。タレントの眞鍋かをりも「東京と北海道に家族が住んでいる。これでは誰も会えなくなってしまう」と。
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私は俄然、中野美奈子アナを応援する。単に彼女が美人だからと言うだけの理由ではない。あらかじめ予定調和が求められ、特にその場の権威者に対しては、異論が出にくいテレビという場所で、一人賛成を貫くことなど、普通の政治家にだって出来はしない。少数意見を尊重するという意味で言えば、彼女の一人賛成というその気概と存在を高く評価する。
今回の連休分散化案だが、別に私が賛成というわけではない。もちろん反対でもなく、内容をよく知らない時点でのコメントは避けた方がいいという判断だ。ただ連休を分散化したほうが良いという発想は高く評価する。
何しろ、そのテレビを私は見ていないが、コメンテーターは中野美奈子アナを除いて、全てが反対だというのだから、それを見ていた視聴者も、多くの方々が反対という世論形勢なのだろう。
では聞こう。連休分散化の反対者は現状における連休のあり方で何ら不満なく満足しているのだろうか。
現在の日本では、大型連休になると民族大移動とでも言うべき現象が各所で起こっている。GWには、空港も高速道路も人と車で一杯になる。それぞれの社会資本には、受け入れ能力(キャパシティ)があって、それを超えると対応しきれない。
50人泊まれる宿があって、そこに100名が泊まりたいと来ても、実際は泊まれないという現象と同じだ。
繁忙期と閑散期における格差が激しいが故に、社会資本であろうが、宿泊施設であろうが、時には受け入れ能力をはるかに上回る需要が生まれ、時には全く需要がないという日も発生してしまう。ものごとの有効利用という側面を考えると、果たしてこれで良いのかという発想が、政府にはあったはずだ。
年に何日あるかわからない「特需」ともいうべき繁忙期のために、常日頃から、人と施設を遊ばせておくことは、道理にかなっているのだろうか。私は政府が発想したように、何らかの対応により、需要を平準化させるための試みに価値はあるし、底辺にある考え方としては多いに賛成だ。
もし高速道路を無料化すると、渋滞で使えなくなると言って反対する人たちがいる。確かに現状においては、それも事実だろう。
しかし、このような連休を分散化して、繁忙期と閑散期の平準化が新たなる法律によって実現すれば、人と物の移動が、日によって極端に変わることが少なくなる。そうすれば、高速道路を無料化したところで、渋滞が発生する可能性はだいぶ少なくなる。渋滞とは、社会資本の容量を上回る需要が発生したときに、一時的に起こる不通現象をいうのであって、社会資本が限られている以上、特定日、特定時間に需要が集中しないように分散化できれば、発生しにくくなる現象である。
それに渋滞に好きこのんで飛び込んでいく人間はいない。あらかじめどのようなときに渋滞が発生するのかを予測し、データを取って、それを回避するシステムを作っていけば、知恵ある人間は自然と渋滞を避けて行動してくれることだろう。
その意味では、連休分散化という発想は多いに有効である。
公共の電波を使って、「バッカじゃね~の?」と大声をあげたコメンテーターがいたらしいが、「バカ」と言うからには、お利口さんの彼には、それ相当の対案など示して欲しいものだ。
新しい提案に対して、一言で切って捨てるような輩に、賢い人間はいないという見本だろう。
バカという バカまる出しの 小倉アナ
2010年03月08日