人・物・金の動きを邪魔しない
ビザなし短期の米渡航に10ドルの手数料導入へ
2010年3月6日18時18分 asahi.comより
【ワシントン=村山祐介】米国に査証(ビザ)を持たずに短期滞在(90日以内)する日本人を含む渡航者に対し、10ドル(約890円)の手数料が新たに課されることになった。半年以内に実施される予定。昨年1月に義務づけられた電子渡航認証システム(ESTA)による渡航の事前申請の際に、支払い手続きが求められるので注意が必要だ。
手数料導入は、オバマ米大統領が4日署名し、成立した「旅行促進法」に盛り込まれた。米国が短期滞在者のビザを免除している日本や韓国、英国など計35カ国が対象となる。ESTAは一度認められると、パスポートの期限内であれば最長2年間有効。渡航のたびに支払い手続きをとる必要はない。
この法律は、米国への観光客誘致や観光産業の振興が目的。手数料はキャンペーンなどの誘致活動を担うために新たに設立される非営利組織の運営費の一部に充てられる。米政府は「雇用創出や景気低迷で傷ついた観光産業の支援策」と位置づけている。だが、旅行者側の負担が増すだけに、航空業界関係者などからは、逆に観光客離れを招きかねないとの指摘も出ている。
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記事の最後にも書いてあるように、10ドルの手数料導入が、観光客離れを招くのではないかとの指摘に私も同意する。
私にとっては、観光地としてのアメリカには何ら興味が無く、行きたいとも思わない。昔話だが、メキシコに行くにあたって、直行便が無いので、途中、やむなく飛行機の乗り換えのためにアメリカで一泊する機会があった。嫌々入国した国であったが、空港における接客を体験して、アメリカに対する私の印象は更に悪いものになった。
まず、人として態度が横柄。およそサービス業に向く国民性とは思えない。民間の会社ならばまだましだが、空港関係者のように公務員と思えるような業種の人たちは、「おいこら」対応が当たり前である。
「こっちとら、観光客だぞ」
そう言いたくなるのをぐっと我慢して、従順に対応したが、ちょっとした一つ一つの動作に屈辱感を持って、アメリカ人とは接しなければならない。それほど鼻持ちならない国である。
日本人の中にもそのような者はいるが、自分を中心に宇宙が回っているという天動説を信奉している人の対応とは、往々にしてこんなものだ。
しかも入国に当たっては、平気で指紋を採る。911のテロ以降、セキュリティがとても厳しくなったのは事実だが、それほどまでに心配ならば鎖国をしたらどうですかと言いたくなるほど、厳しい対応だった。
それに最近では、ESTAや10ドルの手数料である。ますます行きたい国では無いのが、今のアメリカだ。
さて、私の基本的な考え方の一つに、人・物・金を動かす阻害要因を極力排除した方が、経済は活性化するという考え方がある。
大きな政策としては、高速道路の無料化だ。
小さな政策としては、公共施設における駐車場の無料化だ。
http://www.t-ken.jp/seisaku/parking
ちなみに、「週刊ダイヤモンド」2010/03/13版の特集は、FREEの正体である。表紙には、0円ビジネスの全解剖、世の中にあふれる「タダの謎」を読み解くなどの文字が書かれている。
そう「無料化」とは、これからの社会を構成する上で、大きなキーワードとなってくる言葉だ。手前味噌になるが、無料化がもたらす革新性に、いち早く注目した私は、高速道路の無料化を20年以上も前から提唱していたわけだ。(後付理論っぽく聞こえますが・・・・・)
化学において、抵抗を少なくすると電気が流れるという発想と同じである。抵抗を0にすると、超伝導が発生する。
私のものごとの発想の原点に、このような科学的現象が寄与している。
一部例外はあるにしろ、TVだって、インターネットだって、ほとんどタダみたいに娯楽を我々に提供してくれているではないか。利用者無料によるビジネスモデルは、今でも探せばいくらでもある。
特に物理的な移動を人がした場合は、タダでけでは動けない。移動には交通費が必要だし、ただそこにいるだけでも食料費や宿泊費が必要となってくる。そう、人はお金を運んできて、地元のお金を落としてくれるありがたい媒介者だ。何も入国時にお金を取らなくても、観光客として入国さえしてくれれば、自然とお金を落としてくれる。
どの国も観光客に対して優しいのは、彼がお金を持ってきてくれるからだ。観光地で遊んで、心地よい体験をしてもらえれば、口コミにより、多くの人たちに、その観光地を宣伝もしてくれる。その観光地を、その国を愛してもくれる。
お金を運んでくれる。心地よい体験をしてもらえれば、無料で宣伝もしてくれる。愛してもくれる。こんなありがたい人たちはいない。
だからこそ、少なくとも、入り口においては、気軽に入国できるような制度でなければならない。私がことさら、高速道路や空港のような交通問題を大きな関心を持って取り上げる理由は、抵抗値を下げ、人・物・金の動きを活発にすることで、皆の笑顔と共に経済を活性化させようと考えるからである。
今回のアメリカの試みが、吉と出るのか凶と出るのか、これからの推移を見守りたい。
2010年03月10日