田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

不祥事続きのスカイマークに対する公開質問状

スカイマーク不祥事続発 安全優先機長クビ
2010年3月10日 東京新聞朝刊より


 スカイマークの首脳陣が、体調不良で十分な声が出せない客室乗務員を交代させようとした機長の判断を認めず、運航を強行したのは、安全を脅かしかねない行為だとして、国土交通省は九日、西久保慎一社長と井手隆司会長を呼び、文書で厳重注意した。
 同省によると、二月五日の羽田発福岡行き17便で、外国人機長が出発前、チーフ格の客室乗務員が風邪で十分に声が出せないことに気付き、緊急時の乗客誘導などに問題があると判断して交代を求めた。
 しかし、事態を知った西久保社長と井手会長は「乗務に問題はない。なぜ飛ばない」と運航を命令。機長が拒否すると、自宅にいた別の機長を呼び出し、客室乗務員も交代せずに運航を強行した。同社は、命令を拒否した機長は「判断力に欠ける」として契約を即日解除した。
 航空法は機長に乗員への指揮権を与えている。同社の運航規定でも機長に安全管理上の権限があり、機長の判断が最優先される。同社は「国からの厳重注意を真摯(しんし)に受け止め、安全運航につなげたい」とコメントした。
 一方、スカイマークの三十代の男性副操縦士が、運航中の操縦室で客室乗務員らをデジタルカメラで撮影したとして、同社は九日、副操縦士を諭旨退職とし、客室乗務員ら十三人を出勤停止などの処分とした。
 同社によると、副操縦士は昨年四月から今年二月にかけ、航空法(操縦者の見張り義務)と社内規定に違反し、水平飛行中に客室乗務員を操縦室に招き入れるなどして五回で計十人を撮影した。
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 この様な不祥事があったという報道を受け、私はスカイマークに対して公開質問状を送りました。以下がその文章です。


 今回、御社では、二度にわたる不祥事が報道されました。それについて、御社ではどのように考えているのか、3/10時点のホームページ上では全く触れていません。
 特に気になるのは、安全を優先して首になった機長のことです。彼自身には何ら落ち度がないならば、速やかなる職場復帰と賠償責任を、彼に対してすべきかと思いますが、その点については、どのようにお考えでしょうか。
 なお、この質問は公開質問とさせていただきます。誠意あるご回答、またはホームページ上における対応を期待しています。

 回答が来ました。

お知らせ頂きまして有難うございます。
この度は大変ご迷惑をお掛け致しました。
平成22年3月9日、国土交通省航空局より「安全管理上の不適切な対応」について厳重注意を受けました。今回の厳重注意を厳粛に受け止め、今後もさらに一層安全運航に努めてまいります。またご利用頂きます皆様には多大なるご迷惑とご心配をおかけ致しましたこと真摯に受け止め、今後はさらに一層安全運航に注力し、ご利用頂きます皆様方にこのようなご迷惑をおかけすることないよう、信頼回復に努めて参ります。
 何卒、今後も弊社ご利用ご支援たまわりますようお願い申し上げます。
 
スカイマーク(株)
お客様ご相談センター


 素早い返信があったスカイマークですが、私の質問には具体的な記述はありませんでした。今は更なる質問文も考えています。何か回答があればまたここで報告します。

 さて、そのスカイマークですが、ホームページには以下のように書いてあります。
http://www.skymark.co.jp/ja/company/
 当社は「安全を第一に」考える経営理念のもと、経営者をはじめ社員の一人一人に至るまで、安全運航に対する取り組みを最優先としています。
 実務レベルでは、運航本部、整備本部、空港本部がそれぞれの業務内容を確実に実行することにより、安全運航を支えています。
 さらに安全の問題に関しては安全推進委員会が、また業務の品質については監査室が、随時あるいは定期的に各部門の業務を点検し、改善を図っています。


 JALが倒産し、ANA一社だけが大きくなる中にあって、国内第3の航空会社であるスカイマークの存在はとても大きな意味があります。どのような市場であっても、また業界一位の企業がどれほど優良企業であったとしても、一社独占は消費者の利益にはなりません。やはり健全な競争原理が働いてこそ、消費者の利益は守られるのだと信じます。
 しかし、今後、JALに変わって、より大きく期待されるべきスカイマークが利益優先に走り、安全を第一に考えない企業であるならば、消費者に利益を還元するという目的は果たされません。
 これまで私は、場合によっては、JALを本当に潰してしまっても、スカイマークも含め、JAL以外の同業他社が業務を拡大したり、新規参入を図ったりして、その分の穴を埋めるから、問題ないと資本主義社会における市場の機能性を信頼した発言をしてきました。
 しかし、この国内第3の航空会社が、反社会的な行為を平然と行い、それに対する反省をホームページ上で、利用者を含めた国民全体に公表しないとなれば、話は別です。公共交通の一角を担う公益企業としての資格はありません。市場における一社独占は何としても避けなければなりません。
 しかし、これに続く業界第2第3の企業がこの様な有様では、この様な企業に対する何らかのペナルティが必要にもなってくるでしょう。これからも企業に対する絶え間ない国民の監視は必要だと考えます。


2010年03月12日