「覚悟」なく議員になってしまった者への強烈な批判
衆議院議員山内康一ブログ「蟷螂の斧」 2010年3月16日 (火)より
http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-fc5c.html
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みんなの党も、知名度がないころは「覚悟」のある人が応募してきました。
ところが最近、世論調査の数字がよくなってくると、「覚悟」が不足気味でそれより高学歴で「知性」がまさっている人の応募が増えてきました。
履歴と志望動機は立派だけど、会ってみると熱を感じない人が時々います。
志望動機には天下国家のことを憂い、立候補した旨が書いてありますが、
「じゃあ、これまで国や社会、地域コミュニティを良くするために、何か具体的なアクションを取ったことがありますか?」と質問すると、まったく答えられない人がけっこういます。
そういう人には「この人は議員バッチつけたいだけなんじゃないか?」と疑念を抱かずにはいられません。
かっこいいことを言うことや、抽象的な正義を語ることは簡単です。
しかし、実際に行動してきた人でなければ、説得力は生まれません。
やはり「覚悟」のある人は、これまでに行動してきた実績があります。
面接をしていて心を打つ話をする人は、苦労を乗り越えてきたり、
社会を変えるために行動してきた人が多いように感じます。
もちろん理想は、「覚悟」と「知性」を兼ね備えた人物ですが、両方そろった人材というのは、たくさんはいません。
また「覚悟」と「知性」を兼ね備えた人でも、地元の選挙区事情や資金的な問題で泣く泣く候補者にできないことも多々あります。
あるいは、参院選より衆院選に向いている人もいて、そういう応募者には、次回の衆議院選挙の公募での立候補をお薦めしています。
ところで「覚悟」と「知性」のうち、あえてどちらかひとつを選ぶのなら、面接者の私としては「覚悟」のある候補者を選びたいと思います。
志があって覚悟のある人なら、能力や知識・経験の不足を今後の努力で補えます。
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私はかつて論語の勉強をしたときに、呉智英氏から孔子の弟子たちについての話を聞いた。
第1世代の弟子とは、無教養で家柄も悪い。でも無条件に孔子を慕って集まってきた弟子たち。
第2世代の弟子とは、第1世代と第3世代の中間のような弟子たち。
第3世代の弟子とは、才能はあり家柄も良い。でも計算高く芯が弱い弟子たち。
不確かな記憶だが、わかりやすく書くとこんな感じである。ただし、これは別に孔子の弟子だけに特化した現象ではない。小さな企業が、ドンドン大きくなっていく過程では、この様な現象は、珍しくもなく見ることができる。一般的評価が低い企業には、世間的な評価が低い人材しか集まらず、評価が高い企業には、高学歴な人材が集まってくるようなものである。
引用したのは、みんなの党の話であるが、私はまるで初期の民主党がそのような過程を経てできあがってきた事実とも重ねて、話を読んでみた。
民主党は自民党に対抗するため、「若さ、高学歴、美人」この三要素を、新人発掘に関して大いに重視した。当初はそれに合致した人材はそれほど集まらなかった。しかし、党勢が拡大するにつれ、この三つの要素を併せ持った新人候補者たちがドンドン集まってきた。
有権者に対して、いかに自分たちの政党をイメージ良く伝えるかという人材という意味では、新人候補者が、民主党という看板に頼った選挙をしていたのに対して、民主党もまた「若さ、高学歴、美人」という候補者個人が持つイメージを自分たちのイメージとして取り込んでいた。
選挙に勝つこと。それが至上命題なので、そのためには、個人が持つ個別の政策などはむしろ邪魔だった。マニフェストは政党が用意する。その用意された政策集であるマニフェストを信奉する信者として、有権者に布教することが、新人候補者に求められた行動であって、それ以上のことは最初から期待されていなかった。
選挙の勝ち負けだけに関して言えば、民主党の戦術は正しかった。その証明が政権交代である。しかし、今、問題なのは、政権交代後の対応なのだ。「若さ、高学歴、美人」の看板が、官僚相手に通用するのかということだ。官僚相手に、それらの看板は全くと言って良いほど無力である。官僚相手に、ちょっとした高学歴で得た「知性」など、それほど役に立たない。それよりもやはり「覚悟」なのだろう。
その覚悟とは、自らが順風満帆のときに行うことではない。逆境の時にこそ、行うべき決断である。
中小企業は、いつまでも中小企業のまま立ち止まれない。大企業になっていく必然性を求め行動していく過程にあって、人材を集めにおいて、優秀で“同質”な人たちばかりが集まってくることになるのだろう。むしろ、中小企業の時だからこそ、集まる貴重な人材について、その思いが及ばない。その思いとは「覚悟」の有無なのだと思う。
さて、みんなの党がこのまま中小企業で終わってしまうのか、それとも大企業として羽ばたくのか、今はまさにその渦中にあるということが、山内氏のブログからよくわかる。
2010年03月23日