田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

できると言って、できなかった場合の対応

岡田外相、政権公約「すべては無理」
2010/3/27 19:49 日経ドットコムより


 岡田克也外相は27日、三重県四日市市の会合で、昨年の民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)について「書いたことをすべてやろうとすれば相当無理がくる」と述べ、見直しは避けられないとの認識を示した。その上で夏の参院選マニフェスト作成に当たり「場合によっては、あきらめるものもあると、はっきりさせたほうがいい」と強調した。
 衆院選マニフェストをめぐっては、野田佳彦、峰崎直樹両財務副大臣が2011年度からの子ども手当の満額支給が困難との認識を示したが、鳩山由紀夫首相が「予定通り」と打ち消した経緯がある。民主党幹事長として衆院選マニフェスト作成にかかわった岡田氏の発言だけに、今後論議を呼びそうだ。〔共同〕
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 政治の責任は結果責任だと良く言われる。つまり、何かを実現して、政治家は公約を果たしたと言えるのだという考え方だ。
 また、何かを主張して、それが実現できなかったことは公約違反ではないという考え方がある。特に権力を持たない野党の政治家の場合などは、実現するしないではなく、どんな時でも、主張をし続ける限り、たとえそれが実現しなかったとしても、そこは公約違反にはあたらないということになる。


 では、今回の民主党の対応は、公約違反にはならないのか。
 民主党は高速道路を無料化すると言って選挙を戦った。確かに、首都高と阪神高速は、無料化しないと言った。しかし、首都高と阪神高速は事実上の値上げをすることになった。また他の高速道路は、無料化どころか、現在の1,000円高速も捨てて、有料化を続けるという。
 もちろん、今の民主党は、権力を持たない野党ではない。権力を持つ政権与党である。その政権与党の民主党が、マニフェストで国民に約束したことを、反故にした。これは立派な詐欺であろう。
 報道では、岡田外相が政権公約を実現することは、「すべては無理」と語ったという。それは事実なのだろう。それならば、まずは国民に対して、謝罪から語りかけるべきではないのだろうか。「すべては無理」このような開き直りとも取れるような発言を期待してはいない。
 まずは誠実に謝罪してから、国民に語りかけ、次期選挙においては、誠実にマニフェストを作り、大風呂敷を広げず、実現可能なことだけを主張していくのが、地味ながらも確実な政権政党のあり方ではないだろうか。


 民主党政権は、次期総選挙までの最低限4年間は政権政党であり続けて欲しいとは思うが、それ以降は、厳しい国民からの審判を受けて、また出直して欲しいと思う。自分たちが、国民に大きな期待だけを抱かせて、それが実現できなかったという無力感を味わいながら、再び野党経験をしていただきたいと思う。


 選挙は、政治家にとっては、とても神聖な行為である。その神聖な行為の場で、公然と嘘を述べ、その嘘を、選挙後に、謝りもせず、開き直るように、「すべては無理」と語られてしまうことが、私の神経からすると、とても許せる行為ではない。
 自民党時代ではないが、マニフェストもまた、公約を横文字に言い換えただけの軽い存在になりつつある。多くの国民はマニフェストを聴く度に、「また政治家が嘘をついているよ」ぐらいにしか思わないのではなかろうか。


「政策中心の選挙」という大義が、現場では、どれだけ軽く扱われ、どれだけ欺瞞に満ちあふれているかと言うことが、これで証明されたわけである。


2010年03月28日