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日刊田中けん

広域公益企業に対して、国は積極的に介入せよ

電力10社体制はいつまで続くか?(産業部記者 江村亮一)
更新日:2010-02-15  日経産業新聞online より


 東京電力と北海道電力が北海道での風力発電拡大で協力し、2014年度に東電が北電から風力発電による電力の買い取りを始める。一見すると電力会社どうしが手を携えて温暖化ガス削減に取り組む前向きな動きだが、見方を変えると「日本に電力会社が10社も必要なのか」という疑問が生じてくる。
 東電は東北電力とも同様の内容で事業協力を進める。日本で風力発電に適した地域を抱えるのは北電と東北電。両社の営業エリアにある風力発電設備は日本全体のおよそ半分を占める。
 ところが北海道では現状のままでは、いくら良い風が吹こうとも風力発電をあまり増やすことができない。北電の電力供給規模では安定した電力品質を維持するには風力発電設備の導入は36万キロワットが限界とされ、すでに26万キロワット分の設備が立地しているからだ。東電は10万?20万キロワット分の風力発電を北電から供給を受けることで、同等規模の風力発電の開発余地を北海道に生み出す。
 仮に北海道、東北、東京の各電力のエリアが1社で運営されることになればどうか。品質の不安定な風力発電の受け入れ量は一気に増え、北海道と東北が抱えていた「風力ボトルネック」は解消に向かう。
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 今、民主党が行っている事業仕分け第2弾では、47ある独立行政法人が対象になっている。官から民へのかけ声よろしく、無駄な事業の排除や効率化を目指すべく大いに期待したい。
 私はこの様な調査対象は、民間企業にも及ぶべきだと思っている。民間企業というと、官業の対極にあるものであって、何をするにも自由であり、そこに事業仕分け的発想が入り込むことは、むしろ官業の影響力が大きく成りはしないだろうかと、違和感を持たれる方もいるだろう。
 もちろん、そのようなご指摘は、されるまでもなく十分意識している。


 私が対象にすべきと考えている民業とは、今回取り上げた電力会社や鉄道会社のように、民間企業と言えども、代替不可の事実上独占企業となっているような広域公益企業のことを言う。電力や鉄道の他にも、ガス、電話、高速道路などは、私が考える広域公益企業の対象になる。


 それに民間企業と言えども、土建業界のように、仕事のほとんどを公共事業に頼っているよう企業は純粋に民間企業とは言い難い。この様な企業にも、官からの干渉は避けられない。とは言っても、民間企業の建前がある。私が干渉すべき項目は、企業内の法令を遵守されているだろうか。女性差別がないだろうか。障害者を積極的に雇っているだろうか。職場の禁煙が徹底されているだろうかなど、一見、営利とは関係ないが、社会的存在として求められる理想的な企業像を実現しているかどうかと言う判断だ。
 私は官から民へ仕事を依頼するときは、その企業がどれだけ大きく、社会貢献をしているかを加味すべきであると主張している。単に単価が安かったから契約していいいう話では無い。だからこそ、官としての干渉、評価は必要になってくるのだ。


 形式上、民間企業であっても、同業他社が存在せず、事実上の独占企業であるならば、その企業は広域公益企業として、国や自治体からの干渉を受け入れることは当然である。それが公共の利益に合致した民のあり方であると、私は信じている。
 電力会社については、日本全国に10社必要ないとの判断になれば、それは国が介入し、地域事情に応じて、適正数に変えていくことが望ましいことは言うまでもない。


2010年04月22日