田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

対岸の火事とは言えない出来事

ブルカ禁止法案、ベルギー下院で可決 欧州で初規制へ
2010年4月30日10時31分 asahi.comより


 【ブリュッセル=井田香奈子】イスラム教徒の女性が顔も含む全身のほとんどを覆う衣装「ブルカ」「ニカブ」を公共の場で着用することを禁止する法案が29日、ベルギー下院で可決され、上院に送付された。全政党が基本的に支持しており、上院でも可決、成立する見通しで、欧州で初めての規制となる。
 フランス政府も近く同様の法案を提出することを検討しており、規制が欧州に広がる可能性がある。
 ベルギーの法案は、対象をブルカなどと特定はしていないが、本人の身元確認ができないような衣服を公道、競技場、文化施設など公共の場所で着ることを禁じる内容。違反すると1週間以下の禁固刑や最高25ユーロ(約3100円)の罰金が科されることもある。
 法案は有志議員が提出。議会多数の中道右派は治安強化策として、中道左派も、「女性の尊厳」を重視しイスラム教徒の女性が特定の服装を強いられることに反対する立場から、それぞれ支持した。
 ベルギーでは北部オランダ語圏と南部フランス語圏の対立を背景に22日、連立与党が崩壊し、暫定政府の形で継続している。国会は近く解散する可能性が高く、当初は夏前と見られていた成立時期は、不透明な情勢となっている。
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 外国人参政権の問題を一つ取ってみても、日本人は外国人に対して甘すぎる。もちろんどんな国の人たちとも友好関係を築くことは重要だが、その国にはその国のルールがある。ルールというと堅苦しいので文化と言っても良い。
 今回の記事で紹介された「ブルカ」とは、厳密な定義は他にもあるのだが、一般的な理解としては、頭を含めて全身を大きな布で覆って、肌を一切見せない女性の服装のことをいう。「ニカブ」は全身ではなく、視覚は確保しつつも、頭の部分だけを覆う格好のことをいう。つまり、この様な格好では、性別も含め、その人がどんな人かは外見からは、全くわからない。
 ベルギーの法案では、本人の身元確認ができないような衣服を禁じる内容となっているが、運用においては、様々な問題が出てくるかも知れない。今ここで、軽く想像してみても、サングラス、マスク、覆面、厚化粧、カツラ、付け髭など、この日本においても、本人を特定されない外見を演出すること容易にできる。もちろん、「ブルカ」や「ニカブ」を着ていようとも、それだけで逮捕されるようなことはない。
 ただし、銀行やコンビニなど、フルフェイスのヘルメットを着用しての来店を禁止している店はある。このように、公共の場所において、どんな格好も認められるということでは、日本の現状でもありえない。
 実際の運用上は問題が多々発生しそうではあるが、今回のベルギー議会の決定は、日本が国際化するとなれば、遅かれ早かれ問題となるテーマではあろう。
 私は決して排外主義者ではないが、外国人参政権賛成とか、移民賛成のように、外国人たちの要求に対して、何でも寛大に認めてしまう「良き理解者」ではない。
 日本がどんなに規制を強めようとも、不法行為であれ日本に来たいと願う外国人を完全に排斥することはできない。しかし、それに対して日本が厳粛に対応するのか、寛容に対応するかによって、結果増えてしまう外国人の数はおのずと違ってくる。
 今、日本には、少子化を憂い、人口の減少により日本の国力が低下することを心配する人たちから、積極的な移民を認める発言が出てきている。しかし、これこそ危険な発想である。経済至上主義的発想は、日本の文化や日本の秩序を根本的に変えてしまう可能性について、思慮が浅いと言わざるを得ない。
 自分自身の主張が右翼チックで嫌になるのだが、適切な規制、いや厳しすぎるぐらいの規制をもって対応しないと、日本は外国人だらけとなる。その現象がむしろ極右を台頭させ、一般人の支持を多く集めることにつながるのだと私は考える。極右の台頭を危惧するからこそ、最初は厳しく対応して、外国人の入国を極端に制限すべきなのだ。
 私は日本が一気に国際化という外国人の波に呑まれたときの世論の反動を懸念している。厳しく対応して、厳しく対応して、それでも日本が国際化していくことは、決して避けられないだろうコトは、私も予測している。だから、その進行をなるべく遅らせることによって、一人でも多くの日本人がその状態を受け入れようとするまでは、政府の意識が一番保守的である位で丁度いいのだ。


 何もしなくても、自然と日本は国際化する。しかし人間の意識は、そう簡単には国際化しない。それならば法律は、その遅れた人間の意識に従って、遅れた状態のまま対応すればいい。規制を厳しくして、それでも長い年月をかけて受け入れられた異文化を、日本の文化の中でよく咀嚼し消化して、それから法律を徐々にゆるめたとしても遅くはない。ただし、それには、100年、200年の年月を有することになる。だから、今は外国人に対して厳しい対応でいいのだ。


 前述したように、私は日本の文化を一番壊していくモノとは、経済至上主義の経済人だと思っている。これからは、右翼と資本家が対立する時代になってくる。今まで共に自民党を支えてきた陣営は、袂を分かち、激しく対立していくことになってゆくであろう。日本の古い伝統を後生大事に保持しようなどとは思わないが、日本の文化が変わって行くにしても、それは少しずつ、少しずつの変化であって、一気に変わると言うことがあってはならない。表層的には似ているように見えるかも知れないが、私としてはそこが自分の右翼的立場の違いだと思っている。

 移民を認めるか、認めないか。この問題が、まずはその第1ラウンドとなる。


2010年05月03日