高等教育に関する優先順位

無償化除外、朝鮮学校校長会が「驚きと怒り」と談話
2010年5月1日17時2分　asahi.comより

　高校無償化制度で、文部科学省が４月３０日に公表した外国人学校の対象校から朝鮮学校が除外されたことについて、全国朝鮮高級学校校長会の申吉雄（シン・ギルン）会長は１日、「国内世論や国際社会の広範な声を無視して、文科省が差別的な告示を出したことに驚きと怒りを禁じえない。すみやかに適用することを強く求める」との談話を出した。

　全国朝鮮学校オモニ会連絡会（母親の会）の金錦汝（キム・クンニョ）代表も「強い失望と憤りを覚えています」とのコメントを出した。文科省は朝鮮学校について、専門家を集めた機関で教育内容を検証し、除外措置を解除できるか判断する方針。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　私は高校無償化については、結構な話では無いかと思っていた。しかし、現実にそれを実行するとなると、今回の朝鮮学校のような問題が出てきてしまう。
　朝鮮学校については、元首の個人崇拝や日本を意図的に悪い国だと思わせるような学習内容などが問題となっていた。もちろん、日本を悪い国だと考えるのも良い。しかし、そこには同時に日本を良い国だと考えることも許容しなければならない。同時に、北朝鮮をいい国だと教育するのも良い。しかし、そこには同時に北朝鮮は悪い国だと教育することもしなければならない。
　学問の場とは、根源的に、自由な考え方、自由な意見が保障される場所であるべきだが、果たして朝鮮学校には、そのような「北朝鮮を悪く言える自由さ」があるのだろうか。
　そのようなところからして、私にとっては、言論の自由が許されていない北朝鮮が、学校教育で自由な教育を保障しているとは到底考えていない。
　であるからして、今回の政府による無償化除外の決定は支持できる。

　しかし、今回、高校の無償化を実現しようとすると、この様な問題が発生してしまうことから、今はまだ高校の無償化は時期尚早ではなかったのかと思う。物事の順序として、まずは公立高校の無償化を進めてみてはどうだろうか。公立学校ならば、朝鮮学校はその中には含まれない。議論の対象となっているような朝鮮学校に税金が使われる心配はない。
　次に、優先順位としては、国公立大学の無償化をしてはどうだろうか。教育にかかる国民の負担をなるべく軽減したいと考える政府の方針はよくわかる。その方針を支持する、支持しないという立場を超えて、もし政府の意図をなるべくスムーズに実現するならば、やはりここは、なるべくトラブルにならないような分野から、その意図を実現してはどうだろうか。

　本来ならば、私立であっても無償化すべきだと私も思うが、朝鮮学校のような存在がある以上は、まずは公立から無償化の実現を図ることを提案する。

2010年05月05日