いい人には、向かない職業
鳩山由紀夫さんが辞任して、菅直人さんが新しい総理大臣になった。
私は民主党を応援する立場にはないが、菅さんが総理大臣になって、民主党の支持率がV字回復したことは良かったと思っている。少なくとも、多くの国民が支持しているのだから、それを素直に追認したい。
私などが直接知るはずもないのだが、多分、鳩山さんは、色々な方面で言われるように「いい人」なのだろう。普天間の問題も、結局はできなかったとはいえ、少しでも沖縄の人たちに喜んで欲しいと思って、リップサービスをしてしまい、それが逆に批判の対象になってしまった。
言葉に重みがないとは、その通りで、言論の軽さが、存在の軽さにつながり、軽薄さが人気の薄さにつながってしまったようだ。
それでも、鳩山さんが悪い人だとは、私には見えない。それは同様に、谷垣さんにも言える。きっと谷垣さんも、「いい人」なのだろう。自民党内での人気の無さや、世論からも期待されていない感じなどは、「いい人」特有の感覚だ。
でも、「いい人」は政治家には向かない。政治は全ての人を喜ばすことはできない。むしろそれがたとえ少数とはいえ、特定の人からは憎まれるほどの「悪い人」になれるようでないと、政治家には向かないような気がする。「いい人」には、それほど憎まれるほどの感情をぶつける対象にはならない。
その点、今度の菅さんは、鳩山さんほど「いい人」だとは思えない。単純に「悪い人」というのではなく、八方美人にはなれない、つまり誰かからは恨みを買いながらも、それでも政治家を続けていけるような人物だと思う。
野党の議員は、党首をはじめ、菅新総理を「選挙対策による看板のすげ替えだ」と一斉に批判の対象にしているが、それも紋切り型な言い方で、自分の立場に縛られて発言しているに過ぎない。魂が感じられない批判のための批判であろう。
まずは新総理に対して、お手並み拝見させていただき、是非、この日本をよりよき社会へと導いて欲しいものである。
私としては、まず何よりも、高速道路の無料化を実現して欲しいと願っている。
そう。少なくとも菅さんは、鳩山さんよりは働いてくれるはずだ。見た目、「いい人」には見えないのだから。
2010年06月10日