田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
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日刊田中けん

二千円札よりも五万円札

ところで「二千円札」はどこに行ったの?
2010年07月13日 08時00分  ZAKZAKより


 西暦2000年と沖縄サミットを記念して二千円札が発行されてから7月で丸10年。流通枚数は約1億1000万枚(5月末)で全紙幣の1%ほどというが、最近はすっかりお見かけしない。すでに新札の発行はストップ。大量の紙幣が流通もせずに、日銀の金庫に“在庫”として眠っているようだ。
 国立印刷局によると、2000年度に7億7000万枚、03年度に1億1000万枚と計8億8000万枚の二千円札を日銀に納入。しかし、その後は製造されていない。
 日銀によると、二千円札の流通は、04年8月に約5億1000万枚でピーク。この時は五千円札より多かったというが、その後は激減し、06年5月以降は1億枚台で推移している。一部は古くなって裁断処分されたが、大量の紙幣が日銀の金庫に積まれたままのようだ。
 日銀発券局の担当者は「日本人は2のつくお札になじみがなかった。慣れ親しむ前に、使い勝手が悪いというイメージが広がってしまった」と分析。「映画館やタクシーでの支払いなど意外に便利な場面はあるのだが……」と話す。
 大手銀行では「要望に応じ窓口で出すように用意しているが、希望者はほとんどいない」(担当者)という。
 あるコンビニのATM運営会社によると、01年秋から全国に二千円札が出金されるATMを設置した。狭い店舗内のATMには「千円札より収納に効率的」と考えたが、現金を引き出した後「五千円札と似ていて間違う」とレジで交換する客が続出。機種改良で金庫の容量が増えたのに伴い、06年以降は順次、二千円札の出金を取りやめた。
 一方、紙幣には沖縄の守礼門が描かれており、沖縄県では流通量が増えている。地元経済界などが「二千円札流通促進委員会」を結成。地銀3行が二千円札が出金可能なATMや両替機を設置し、那覇市の繁華街、国際通りではお釣りに二千円札を渡す店舗も多い。
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 日本の文化は、微妙な違いを好む。
 だからこそ、本文にもあるように、わざと二千円札は五千円札と色が似ている。微妙な違いを好む国民性がここにも表れている。
 大抵の日本人が、初めて外国に行くと、海外の紙幣が、まるで子ども銀行が発行した紙幣のように、ハッキリと色分けされていることに、安っぽさを感じることだろう。
 しかし、例え質感は低くとも、お金はお金である。しかも、一つ一つの色の違いがハッキリとしていて、二千円札と五千円札が似ているなどという「似ている現象」もない。
 ここで、文化の違いから来る紙幣の良し悪しを論じるつもりはないが、日本人の思考の中には、合理性よりも美意識や重厚さを尊ぶ傾向があることは間違い無いようだ。


 さて、市場から存在を否定された二千円札であるが、これはこれとして、記念紙幣のような扱いになればいいのであって、今後は、もっと市場に流通するような実用的な紙幣を作るべきだろう。その意味では、よほど五万円札の方が、日本人には向いていると思う。
 財布の中に50枚の一万円を持つよりも、五万円札10枚の方が、スペース的にもスマートである。


 これから政府はデフレ脱却の名目で、ドンドンお金を刷って市場にばらまくかも知れない。そして流通するお金の総量を増やす過程で、さりげなく五万円紙幣を追加してみてはどうだろうか。
 少なくとも二千円紙幣よりは、よほど需要があると私は思っているのだが。


2010年07月13日