田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

鈴木宗男議員の失職・収監で、私は大きく舵を切った。

鈴木宗男議員、失職・収監へ 最高裁が上告棄却
9月8日 asahi.comより


 北海道開発局の工事や林野庁の行政処分をめぐる汚職事件で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は、不正に口利きした見返りに業者から現金計1100万円を受け取ったとして、受託収賄やあっせん収賄など四つの罪に問われた「新党大地」代表の衆院議員・鈴木宗男被告(62)の上告を棄却する決定をした。7日付。懲役2年の実刑、追徴金1100万円とした一、二審判決が確定する見通し。


 鈴木議員は決定文を受け取った日の翌日から3日以内に最高裁に異議を申し立てることができるが、棄却された時点で刑が確定する。確定すれば、公職選挙法と国会法の規定に基づいて失職し、収監される。


 鈴木議員は当選8回。昨年9月から衆院外務委員長を務めている。
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 佐藤優の眼光紙背:第79回
2010年09月08日16時14分
http://news.livedoor.com/article/detail/4996747/ より


 9月8日午後、7日付で最高裁判所第一小法廷が鈴木宗男衆議院外務委員長(新党大地代表)の上告を棄却した。鈴木氏の弁護人は異議を申し立る意向を表明しているが、過去の例でこの種の異議が認められたことはない。近く懲役2年の実刑が確定し、鈴木氏は刑務所に収監される。


 最高裁判所は最高政治裁判所でもある。それは、2002年に鈴木宗男追放キャンペーンの中心に立った竹内行夫外務事務次官(当時)が現在、最高裁判所裁判官をつとめている事実からも明白だ。所属する小法廷が異なるなどということは、本質的問題でない。司法試験にも合格していないので、法曹資格ももたず、かつ極めて政治的動きをする人物を行政機関である外務省から受けいれている最高裁判所という組織自体が、「司法権の独立」という名目からかけ離れた組織だということを筆者は指摘しているのだ。


 このタイミングで最高裁判所の司法官僚が鈴木氏の上告棄却を決定したことは、きわめて合理的だ。それには2つの理由がある。


 第1の理由は、9月10日に大阪地方裁判所で行われる村木厚子元厚生労働省局長の裁刑事判で、無罪判決が予想されているからだ。そうなれば特捜検察は正義の味方であるという神話が裁判所によって覆される。当然、世論の特捜検察の取り調べに対する疑念と批判がかつてなく強まる。そうなると、「国策捜査」によって事件が作られたという鈴木氏の主張を完全に無視することができなくなる。


 第2の理由は9月14日の民主党代表選挙で小沢一郎前幹事長が当選すいる可能性があるからだ。最高裁判所の司法官僚にとっては、これも頭痛の種だ。小沢氏は鈴木氏の政治的能力を高く評価している。そもそも鈴木氏を衆議院外務委員長に抜擢したのは小沢氏だ。小沢政権になれば鈴木氏が政府の要職に就くなど、政治的影響力が高まるのは必至だ。そうすれば排除が困難になる。


 この結果にいちばん喜んでいるのは外務官僚だ。鈴木氏が収監されることにより外交機密費(報償費)の不正使用や、外交秘密文書の破棄に対する責任を追及する政治家がいなくなると外務官僚はほっとしている。しかし安心するのはまだ早い。鈴木氏は小沢氏に外務官僚に関するヤバイ情報をすべて引き継いでいるはずだからだ。


 いずれにせよ、今回、最高裁判所が鈴木氏の上告を棄却したことは、普通の国民の目には見えにくいが、「誰が日本国家を支配するか」を巡って、資格試験に合格したエリート官僚と国民によって選ばれた国会議員の間で展開されている熾烈な権力闘争を反映したものだ。(2010年9月8日脱稿)
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 私が言いたいことは、ほぼ佐藤優氏が言ってくれているが、改めて私の発言として記述する。
 これまで誰よりも警察・検察と対峙してきた政治家が、近く収監されるということは、誰にとって得になることなのかということだ。しかも、ここに来て、中立であるはずの裁判所でさえも、外務省から人材を受け入れ、最高裁裁判官のポストを与えている。
 これは明らかに、警察・検察・外務省・裁判所も含めた官僚組織にとってプラスになることであって、日本国民にとってプラスになることではない。
 警察・検察・外務省・裁判所という官僚組織に対して、一番激しい批判を加えてきた政治家を収監し、政治生命を奪おうとしているのだから、自分たちの組織の温存を狙った極めて政治的な決定であると言うしかない。


 我々が今、改めて考えなければならないのは、この国を支配する主人公は誰なのかと言うことだ。それは資格試験に合格したエリート官僚なのか、それとも国民によって選ばれた国会議員なのか。そういうことだ。国民主権という言葉があるように、国民にこそ権力の源泉はあるのであって、資格試験に権力の源泉があるわけではない。よって、国民によって選ばれた国会議員を、そう簡単に捕まえて収監してよい話にはならない。


日本国憲法「第50条」には、以下のように書かれている。
 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
 しかし、この文章は空文に等しい。なぜこのように第50条のような憲法が作られたのか、その意味を私は国民全体と共に、今一度考えてみたい。


 鈴木宗男氏はこれからも警察・検察という、日本の国家権力と戦っていくと記者会見の中で述べていた。議員という身分を失ったとしても、私の理解では、自分の生き方を変えない限り、政治家は政治家として失職しない。
 私はこれからも鈴木宗男氏を応援し、氏の志と同じく、警察・検察を中心とした、この日本に巣くう「国民のコントロールが効かない」巨大な国家権力と対峙して、少しでもこの日本を名実共に国民主権の国家に変えていきたい。


 よって、民主党代表選挙にあって、部外者である私自身は、おとなしく中立を保ってきたが、鈴木宗男氏の失職・収監という事態を受けて、日本国民の一人として、民主党政権が続くのならば、検察権力と戦ってくれるという期待を込めて、「小沢支持」と大きく舵を切ったことをここに宣言する。


2010年09月09日