田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

自殺防止のために今すぐできることがある

自殺・うつ、経済損失2.7兆円 対策会議で厚労相発表
2010/9/7 11:54 日経ドットコムより


 日本国内の自殺とうつ病による経済損失は年間2兆7千億円――。国立社会保障・人口問題研究所は7日、自殺・うつで失われた労働者の所得や休業補償などの国の負担に関する初の推計を公表した。同日開かれた政府の自殺総合対策会議で長妻昭厚生労働相が発表した。具体的な数値を示すことで、自殺と精神疾患に関する対策を推進する狙い。


 同研究所は同日、2010年に自殺・うつ病による国内総生産(GDP)の損失も約1兆7千億円に上ると発表した。


 調査は厚労省の依頼で同研究所が実施。警察庁や厚労省の統計資料に基づき、09年の自殺とうつ病がゼロになった場合を想定して賃金所得や労災補償などを推計した。


 09年の自殺者は2万6539人(0~69歳)。推計では、自殺によって失われた生涯所得の総額は1兆9028億円と見積もられた。


 うつ病については、病気が原因で支払われる労災補償や、休業で失われた賃金などを試算。うつ病がなくなれば、トータルで7754億円分がプラスになるとの推計を導き出した。


 7754億円の内訳をみると、うつ病が原因の自殺・休業で234人に支払われた労災補償は456億円。うつ病で休業している6万1357人が働き出せば賃金所得は1094億円増え、うつで失業した求職者2万4254人への給付金187億円も必要なくなる。


 さらに、うつが原因の生活保護受給者への給付金を3046億円と見積もり、医療費では2971億円が節約できると試算した。
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 私は自殺を否定しない。自殺は最期で、個人の社会に対する最後の「異議申し立て」だからだ。メッセージ性の有無に関係なく、自殺を目の当たりにした人間ならば、人一人が死んだ事実を目の前にして、何らかのショックを受けて考え方を少しは改めることもできよう。


この世に生きている以上、自分自身がいつ、そのような絶望に追い込まれ、自殺しないと言い切れるだろうか。年間3万人以上もの日本人が自殺している国に、我々は住んでいるのである。その3万人の1人に、将来、自分自身がならないなどと言い切れる人がいたら、相当おめでたい人だろう。


 しかし、自殺に追い込まれる個人は不幸である。それに自殺が多い国とは、その国がどんなにGDPが高い国であろうとも、不健全な国だと言わざるを得ない。できることならば、自殺などして欲しくない。自殺などしたくないと、死んでしまった当の本人が思っていたに違いない。
 しかし、現世は、本人が望むほど理想的な社会ではなかった。そんな辛い社会から一足早く抜け出して、楽になりたいと思うのも、また人間の性の1つに違いない。


 エロスが生の本能であるように、その対となる概念がタナトスとなる。それは、死の本能を意味する。


 よく動物の中で、「自殺するの人間しかいない」などと言われたりする。それが事実かどうかは定かではないが、生きたいと思うのも人間であり、死にたいと思うのも、また人間なのだろう。


 もし政府が自殺を少なくしたいと思うならば、真っ先にやって欲しいことがある。それは自殺防止と事故防止を目的としたフルスクリーンタイプのホームドアをJRの各駅に設置することだ。ただでさえ、電車おける人身事故という名の自殺が後を絶たない。自殺をさせないためには、その根本原因を絶つことも重要だが、まずは自殺しやすい場所を徹底的に潰して、自殺しにくい場所に変えてしまうことも重要なことである。


 高名な学者先生による自殺防止の研究も否定はしないが、まずはお金さえあれば今すぐにでもできることから始めたらどうだろうか。
 本格的な対策は、そのあとからでもできる。今失われている命を、失いやすい場所を潰すことで、救えることに集中してみよう。


2010年09月15日