田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

薬物犯罪者に必要なのは、刑務所ではなく病院だ

田代まさし容疑者を逮捕 コカイン所持
2010年9月16日10時15分  asahi.comより


 元タレントの田代まさし(本名・田代政)容疑者(54)=東京都武蔵野市吉祥寺南町4丁目=がコカインを所持していたとして、神奈川県警横浜水上署は16日、麻薬及び向精神薬取締法違反(コカイン所持)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。「3カ月半前に知り合ったDJから買った」と供述し、容疑を認めているという。


 同署によると、田代容疑者は16日午前2時10分ごろ、横浜市中区新港1丁目の駐車場で、コカイン2袋を所持していた疑い。一緒にいた同県厚木市の美容室経営女性(50)も覚せい剤1袋を所持していた疑いで現行犯逮捕した。


 2人は乗用車に乗り、エンジンをかけたまま停車中だった。警戒中の警察官が職務質問したところ、2人とも腰の辺りに隠し持っていたという。田代容疑者の財布からは吸引用のパイプやライターも見つかった。田代容疑者が薬物で逮捕されたのは3回目という。
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 ニュースからもおわかりの通り、薬物犯罪の特徴は再犯率の高さである。ちょっと名の通った有名人が、何度も何度も同じような薬物の使用や所持で捕まっている報道を目にすると、庶民レベルでも感覚的に、「再犯率の高さ」については、実感するだろう。その再犯率、実に約50%と言われている。
 軽くネットで調べた限りでも、シンガポール、マレーシア、中国、フィリピンなどは、同じ罪状で死刑になることもある。
 だからといって、私は昨今の風潮である厳罰主義を単純に唱えるつもりはない。ましてや死刑にしろと言うつもりもない。ただ、そうは言っても、この再犯率の高さ、または諸外国における「死刑をも含む断固たる処罰」と比較すると、日本の薬物犯罪に対する対応の甘さは、十分批判されるに値する。


 どのような犯罪でもそうだが、日本での初犯には減刑された判決になることが慣例である。ただし、再犯率の高さを理由に、薬物犯罪については、初犯特典とでもいうべき減刑対象にすべきではない。


 再犯率の高さから言って、この様な薬物犯罪者が、更生するのは非常に難しい。だからこそ薬物犯罪者は、単純な刑務所に収監するのではなく、より長期間、病院のような場所で「緩やかに隔離」することが望ましいと思う。
 一般社会(=娑婆)に出してしまうと、自由であるが故に、すぐに薬物を入手し使用してしまう可能性が高まるが、「緩やかに隔離」することで、その可能性はゼロになる。
 本人の経済状態に応じて、電話やインターネットなど、刑務所ではあり得ない通信の自由を保障し、限りなく一般社会に近い生活を実現しながら、同時に病院から外には出られないという新たなる施設が必要であろう。


「犯罪者に対して、そこまで快適な公的施設が必要なのか」
 この様に考える人がいるかもしれない。しかし、この病院は刑務所的な機能を持ちつつも、同時に更生施設であり、教育施設であるという位置づけで運営されるべきものである。
 薬物犯罪者は、犯罪者であると同時に、病人であるという認識も、是非持っていただきたい。


 私の主張は、薬物犯罪に対して甘すぎる対応しかしてこなかった日本社会にあって、当然、その延長線上に「甘すぎる対応しかしてこなかった」タバコを見据えた上での主張であることは、言うまでもない。


2010年09月18日