受動喫煙防止サミット in 浜松
10月9日(土) 浜松まで行ってきた。
15:00開演だったのだが、私は浜駅松到着まで大幅に遅れてしまった。会場までの最寄り駅である舞阪駅は、浜松駅から2つ目の駅である。そこの改札を通ったとき、偶然にも、本日講演される松沢成文神奈川県知事にお会いした。
「知事も今、ご到着ですか」
知事は私など知らないだろうから、私から声をかけてみた。
声をかけると同時に、名刺を出して、自分もこの集会に参加するつもりで浜松までやってきたのだと説明した。
「実は、私は全国禁煙推進地方議員連絡会の代表幹事をしているのです」
そう自己紹介をした。
駅前には、知事を会場までお連れするタクシーが待機していた。
私も目的地が一緒だったので、
「もし良かったら、一緒に乗って行けば」
という知事のご厚意に甘えて、便乗した。
「よろしくおねがいします」
会場に着くまでの間、知事の隣に座って、タバコ政策について、色々と話ができた。
会場に到着すると、2時間の集会の真ん中の休憩時間になっていた。
議員席に行ってみると、知った顔が、1つ、2つ、3つ・・・・・。
皆、禁煙議連のメンバーである。
松沢知事の話は、16:30頃スタートした。
終了予定時刻は、17:00だったのだが、知事の白熱した講演が続き、知事の話が終わったのが、17:15過ぎだった。
まず神奈川県受動喫煙防止条例の成立を巡って、とても苦労された話があった。
知事は、各種団体と協議を重ねて、条例成立に向けた取り組みを行っていったのだが、特に抵抗が激しかった団体を紹介する。
JTおよびタバコ販売店関係
パチンコ業界
飲食店組合
ホテル業界
しかし、医療従事者を中心に応援勢力があったこと。それと県民世論調査によると、実に80%の人たちが、受動喫煙防止条例には賛成していることから、この条例を議会としても、否決できなくなっていた。
最大の抵抗勢力である議会の議長が、条例成立にあたって、妥協案として2つの条件を出してきた。
① 罰則規定を外すこと。
② 小規模店に対しては、努力目標に留め、激変緩和措置を講じること。
知事としては、①の罰則規定を外すことには同意できなかった。なぜならば、健康増進法がそうであるように、罰則規定がない法律は、結局は無視されて、守られないと思っていたからだ。
結局、知事は、この条例を否決されては、元も子もないと判断し、①については譲れないが、②については、議会の主張通り、小規模店については、規制を努力目標に留めるという妥協を行った。
何でもそうだが、「政治とは妥協の芸術」という話があった。
条例を否決され、ゼロになってしまうのが、良いのか、それとも100点とは言えないが、50点、60点ぐらいで妥協するのか。
どちらが良いのかを問われれば、不本意ながら50点、60点で妥協する方を選択すると知事はおっしゃった。
松沢知事をここまで雄弁にさせたのは、何よりも条例制定にかける「経験と情熱」だったのだろうと、私は感想を持ち、会場を後にした。
2010年10月11日