反中共とは反中国人にあらず
【今日のブログ】日本で暮らす中国人が帰国をためらう訳
【コラム】 2008/09/30(火) 20:06 サーチナより
日本で働く外国人労働者のトップを占める中国人。ある一定期間を国外で生活した中国人たちは中国には帰国したくないという気持ちがあるという。このブログはなぜ、そのような気持ちが芽生えるのかを考察したものである。以下はそのブログより。
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私は今でも、十数年前の日本で暮らした生活を思い出すことがある。旅行で日本を訪れただけでは何とも思わないかもしれないが、ある一定の期間を日本で暮らしてみれば、恐らくはもう帰国したくないとの気持ちが芽生えていることだろう。
日本滞在中、地下鉄から地上へ出てみると雨が降っていたときがあった。私は傘を持ち合わせていなかったのだが、それに気付いた日本人のご婦人が自分が持っていた傘に入れてくれたのである。私達はおしゃべりをしながら歩き、とても楽しく、そしてとても感動したのを覚えている。
中国であれば見知らぬ人が助けてくれるなど思いもつかないことであるうえ、知らない人が近づいてきたら何か企んでいるのではないかと思うことであろう。
外国での生活は物質面で満ち足りているということもあるが、最も大きいのは人間関係だと思う。煩わしさがなく、静かな生活を送ることが出来るのだ。
中国人同士の人間関係は全て「利害関係」であり、話をするにも仕事をするにも「利害関係」であることを気に留めていなければならないため、非常に疲れてしまう。これこそが日本で生活したことのある中国人が帰国をためらう最大の原因ではないだろうか。
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私の立場は反中国共産党である。
しかし、それは反中国人ではない。これはしっかりと冷静に理性的に咀嚼して、血肉として身につけなければならない考え方だ。特に日本で静かに暮らしている普通の中国人に対して、反中共的意識をぶつける対象にしてはいけない。
もちろん、普通の中国人と思われるような人の中にも、中共の意を汲んだ工作員が紛れ込んでいるだろうから警戒心は必要だが、だからといって頭から疑ってかかることも望ましくない。
それを言えば、日本人であっても金や脅しで転び、中共の意のままに動く者だっていないとは限らないのだから、それはどっちもどっちである。
上記のブログに書かれているように、日本に来た中国人には是非、ありのままの日本を見てもらいたい。「好きになってくれ」とまでは言わないが、冷静に自分自身の考えによって、今の日本と中国のどちらが人間として住みやすい国であるかを判断して欲しい。
たとえどんなに日本が優れているように見えたとしても、祖国に対する思いは、優劣とは関係ない。これは自分たちの問題として考えればわかることだが、もしヨーロッパのどこかの国が、日本よりとても住みやすくて素晴らしい国だからと言って、それを理由に日本を捨てて、その国に移住できるのかということだ。仮に移住できたとしても、だからと言って、ワールドカップやオリンピックの時に、日本以上にその国を応援できるのかということだ。
自分が生まれ育ったところ、または両親が生まれ育ったところという意識は、物事の優劣によって左右されることはない。愛着とはそういうものだ。
中国で生まれ育った人は、中国に愛着を持つだろう。
北朝鮮で生まれ育った人は、北朝鮮に愛着を持つだろう。
これは誰もが持つ祖国愛であって、これを簡単に捨て去るなどと言うことは、普通できないと思う。
ただし、祖国愛があるからこそ、今の祖国に対する批判もできるし、祖国が良い方向に変わって欲しいと思う人たちもたくさんいることだろう。
中国人であって、中国の民主化を求める数多くの運動家達は、そのような人たちだと私は信じる。
だからこそ、私は日本を訪れた中国人には、祖国愛故に、民主化を求める活動家になって欲しい。別に活動家と言っても、何か過激な行動を期待しているわけではない。静かな活動家、民主化を応援する活動家、このように人民の心の底流に、静かに確実に、民主化を求める気持ちが育っていって欲しいと思う。
反中共という意識が強い者からすると、中国人個人に対しても、その怒りの矛先を向けがちだと思うが、その分だけ、ノンポリであっても善良な日本人が、日本を訪れた中国人に対して、きっと親切に対応してくれていると思う。そう、ブログで書かれているような日本人は、決して、今の日本に珍しい存在ではない。
中国には豊かになった人がたくさんいる。日本に来られるようになった普通の中国人がたくさんいる。海外に行けると言うことは、北朝鮮人とは条件が違う。色々な価値観に触れて、相対的に考える機会を、海外旅行ができるぐらいの裕福な中国人ならば、持つことができる。是非、その聡明な思考で、今の中国と今の日本を色々な面で比べて欲しい。
きっと中国の民主化を求める人たちとは、国籍による立場が違えども、反中共のような日本人とも一緒に今の中国を変える一助になると信じる。
きっと我々日本人は、中共という国に対する怒りを中国人個人にぶつけることなく、むしろ日本にいる普通の中国人を応援できるような関係を築けたら良いと思う。
ただし、民主党執行部のように、それを中共の政治家に求めるようでは、全然ダメだ。中国の庶民に対する対応の延長線上に、中国の政治家を見ては、決してならない。気を許してはならない。譲ってはならない。信用してはならない。頼ってはならない。儲けさせてはならないのである。
2010年10月21日