空港運営を巡る醜い争い
日航、静岡県を提訴 搭乗率保証1.5億円支払い求める
2010年11月10日23時4分 asahi.comより
静岡空港の日本航空福岡線(今年3月末に運休)にかけられていた搭乗率保証制度をめぐり、日航は10日、静岡県に運航支援金約1億5300万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。静岡県はこれまで、日航が一方的に路線撤退したことは信義則違反だと主張し、支払いを拒み続けていた。
静岡空港が開港した2009年6月、県と日航は覚書を交わし、09年度の目標搭乗率を70%に設定。搭乗率が目標を下回った場合、県が1席あたり1万5800円を日航に保証すると定めていた。
搭乗率は64.6%にとどまったことから、日航は今年5月、覚書に基づいて県に約1億5300万円の支払いを請求。一方、県は、日航が経営再建策の一環として、十分な協議もないまま静岡空港から撤退したのに、支払いを求めるのは信義則に反すると主張していた。
日航広報部は「やむを得ず訴訟に至ったが、更生会社として適正な権利行使が求められており、粛々と手続きを進めたい」とした。一方、静岡県の川勝平太知事は「今後、訴状の内容を検討して、適切に対処したい」とのコメントを出した。
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日本の航空行政については何度もコメントしてきたが、そもそもこれほどまで多くの空港を建設してきた空港行政にこそ、根本の非はある。
それにも関わらず、未だに、野党自民党のみならず、与党民主党さえも、「公共事業は景気対策」などという寝言を言い出す始末。
民主党には淡い期待をもって少しは応援してきたが、尖閣諸島における一連の大失態以来、その気持ちはだいぶ冷めてきた。今は一刻も早く衆院選挙を行って、民主党は政権政党の座から降りていただきたいと思う一心である。
しかし、だからといって自民党が政権政党に復活してしまえば、公共事業を推進するこれまでの自民党政治が行われるだけだろう。つまり、静岡空港のような悲劇は、これからも何度も繰り返し行われる可能性があるということだ。
この問題、日航に非があるのか、静岡県に非があるのかは、その結論は裁判の結果に委ねたい。私にはわからない。ただしどちらも、一儲けを狙って、結果、大損したのだから、双方深く反省した方がいい。
それと同時に、「景気対策のための公共事業」のようなバカな発想はもう止めて、必要な事業を必要最低限行う公共事業にしていかなければならない。
まずは民主党政府が、前政権の尻ぬぐいも含めて、海より深く反省してからでなければ、物事は大きくは代わりはしない。
「コンクリートから人へ」
このスローガンが、今さらながら、むなしく聞こえる。
2010年11月13日