田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

尖閣ビデオ流出事件の本質とは

【主張】海上保安官聴取 流出事件の本質見誤るな
2010.11.11 03:41産経ニュースより


 尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突のビデオ映像流出事件で、警視庁は国家公務員法(守秘義務)違反などの疑いで、神戸海上保安部に所属する海上保安官の取り調べを始めた。


 事前に接触した読売テレビは取材記者の証言として、海上保安官が「映像はもともと国民が知るべきものであり、国民全体の倫理に反するのであれば、甘んじて罰を受ける」などと語ったと報じた。事実なら、海上保安官は守秘義務違反を覚悟していたことになる。一方で皮肉にも、流出により国民の「知る権利」に応えたという重要な側面も見落とせない。


 捜査当局は、流出の動機、背景についても詳しく明らかにすべきだ。事件を担当する弁護士は、海上保安官の言い分を不足なく伝えてもらいたい。刑事裁判の公判では情状面を含め、何がこの犯罪を引き起こしたのかが、明確にされなければならない。


 10日の衆院予算委員会で、自民党の小泉進次郎議員は「そもそももっと早く(ビデオを)公開していれば流出事件は起こらなかった」と追及した。それがこの事件の本質である。


 加えて小泉議員との質疑の中で、菅直人首相は、衝突は中国側に非があったという政府側の共通認識が「流出したビデオで客観的になった」と、効用を一部認める発言まで行った。


 四方を海に囲まれた島国、日本の海上保安官は、常に過酷な職務を強いられている。流出した衝突ビデオが、その危険と緊迫性を見事に物語っていた。国民も公開を求めていた映像がなぜ「職務上知り得た秘密」に相当するのか。


 刑事訴訟法は、初公判前の証拠の公開を禁じている。那覇地検が保管する衝突ビデオが非公開の対象となったのはこのためだが、中国人船長を処分保留で釈放し帰国させた今回の事件では、いつまで待っても初公判は開かれない。


 事実上すでに衝突ビデオには証拠的価値はない。起訴猶予処分として映像を公開するチャンスはいくらでもあったはずだ。検察当局にも責任の一端がある。


 政府には流出事件とはかかわりなく、全面的なビデオの公開が求められている。違法な形で流出した映像は外交上の切り札にはなり得ない。政府の意思として、一刻も早く全世界に衝突ビデオを公開すべきである。
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>10日の衆院予算委員会で、自民党の小泉進次郎議員は「そもそももっと早く(ビデオを)公開していれば流出事件は起こらなかった」と追及した。それがこの事件の本質である。


 全くその通りだ。これは、民主党政権による「尖閣ビデオを公開しない」という判断ミスを、一人の勇気ある海上保安官が、個人の良心と信念に基づいて、国家のミスを補正した行為だと考えれば良い。


 法的にはともかく、道義的に考えて、民主党政権にsengoku38 を処罰する正義はない。むしろ自らの失政を補完して、国民の知る権利を実現してくれた一人の海上保安官の勇気に対して、一人の国民である私は最大限の賛辞を送る。
 民主党政権は全く罪作りだ。自分たちの失政により、一人の勇気ある海上保安官を事実上の逮捕へと至らしめ、海上保安庁長官に詰め腹を切らせ、引責辞任へと追い込み、対外的にはこれで責任を取ったことにしようとしている。政治責任ということで、政治家である大臣は誰も辞任していない。
 しかし、国民目線から言っても、本当に責任を取るべき人物は、今回の事件において、「ビデオを公開しない。逮捕した船長は釈放する」などの実質的な政策判断を行使した仙石由人官房長官にあることは、明々白々である。
 彼が辞任して、内閣を去ることなくして、真の意味で、民主党政権は責任を果たしたことにはならない。


 自民党政権末期も酷かったが、政権交代してたった1年しか経っていないのに、今や民主政権もまた末期的症状を露呈している。許容範囲を超えて、あまりにも酷すぎる政権の有り様を見ていると、だんだん我慢ができなくなってくる。新政権は、せめて4年間は続いて欲しいと心から思うのだが、そのためには仙石由人官房長官を一刻も早く解任しなければならない。それができないのならば、野党の総意を持ってして、衆議院を解散し国民の信を問うことを望む。


2010年11月16日