田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

高速道路無料化を断固支持する(その2)

② 高速道路無料化を支持する国民は少数だからやらなくていいわけではない。


 対象者が少数であるからと言って、やらなくていいという理由にはならない。
 障害者や少数民族が、少数であるという理由で、政治の議論の対象にならなくていいと言うことにはならない。それと同じだ。
 高速道路の無料化を願っている人は、仮に少数派だとしても確実にいる。それも日々、通行料金という形で、高速道路の償還には協力している人たちである。それを少数であること言うことを理由に、行わなくていい理由にはならない。
 物事の道理に対する正否を、多数少数によって判断しようとするのは、悪しき民主主義的発想である。多数決は民主主義の一面ではあるが、絶対ではない。もし常に絶対多数が絶対正義ならば、51%の賛成があれば、残り49%を殺してしまうことさえも正当化されるわけだが、実際の社会が、そのような多数の暴力を許しているわけではないのは当たり前の話だ。
 対象者が少数であっても、そこに理があれば、それを実行していくのが政治の責任である。自動車利用者は、日々、高い高速道路料金を支払わされ続けてきた。それをいつの時点からか精算して、無料化しようではないかという主張が不合理と考えるのは、おかしな話だ。


③ マニフェストを軽んずるな


 民主党政権を攻撃する際に、「マニフェストは絶対じゃない」という政党がある。そのような政党が、もしマニフェストなどを選挙時に作っているとしたら、それこそそのような政党は信用に値しない。「マニフェストは絶対じゃない」などと平然と言うような政党は、「自分たちはマニフェストなど守りませんよ」と言っていることと同義である。選挙を舐めているとしか言いようがない。
 選挙は、候補者と有権者との契約の場である。マニフェストはそれを具体的に表したものであって、本当にマニフェストが絶対ではないならば、そんなものは最初から作らなければいい。政策など発表しなければいい。無条件承認のように「何をしても、自分自身を支持して欲しい」と自らの手足を縛るような、政策を述べなければいい。
 でも、それで今の有権者が納得するのだろうか。否、納得してくれない。だからこそ、より候補者と選挙民との契約内容をハッキリさせようじゃないかと言うことで、マニフェストが作られたのだと私は信じる。
 その契約書を「絶対ではない」という政党は、そもそも有権者との契約など、何も重視していない。もし有権者との契約を重視するのであれば、「マニフェストは絶対だ」として、どんなに財政赤字が膨大になろうとも、愚直にマニフェストを実行しなければならない責任が、政権与党には発生する。なぜ財政赤字が膨大になっても実行すべきなのかは、それが国民、有権者との約束だからだ。契約だからだ。その契約をないがしろにするような政権政党は、政権政党としての資格がないと言えよう。今の民主党には、数々の「やるやる詐欺」によって、今や既に政権政党としての資格がないと言える。
 高速道路の無料化をためらっている現状は、その最たる理由なのだ。


④ 高速道路行政の肝は、無駄な高速道路を作らないということにこそある。


 ユーザーにとっては大きな問題だが、高速道路の無料か有料は、実はそれほど大きな問題では無い。なぜならば、無料であろうが有料であろうが、結局は形を変えるだけで、国民の負担総額は対して変わらないからである。むしろ有料でアリ続けた方が、ETCや設備費など、有料制を維持するためだけにかかる費用も負担しなければならないので、国民負担総額は増えるという考え方もできる。
 どちらにせよ、無料化であろうが有料化であろうが、国民の総負担額は大きくかわらないのだが、無駄な高速道路をこれからも作り続けようとなれば、それこそ大問題である。今や民主党は、政権政党になることで、場所によっては高速道路を作りましょうなどと言っている。これは大問題だ。そもそも民主党は、無駄な公共事業はしない、コンクリートから人へと提唱し続けていた政党である。その政党が、多分無駄になるであろう、公共事業の高速道路建設を推し進めていくとなれば、それこそ国民に対する背信行為である。
 それを無料化、有料化という議論に、矮小化してしまうことで、高速道路に関する議論の目先をずらすことに成功させているならば、それこそ巧妙な騙しだ。
 この根本を民主党は忘れてはならない。自民党は相変わらず、高速道路建設推進である。この発想は論外だが、民主党も自民党化をしつつある現在、僅かな期待も、大きな失望に変わっているのが、正直な感想である。
 無駄な高速道路を建設させない。だからこそ、原資となる高速道路料金を集めさせないためにも、高速道路の無料化を推し進めていくという考え方の方が、無駄な公共事業を排除するには、合致した考え方となるのだ。既存の高速道路をいかに有効利用するか。その発想無くして、1000兆円と言われる日本の財政赤字を少しでも減らそうとする試みは前へ進まない。


 以上の理由により、私は高速道路の無料化を断固支持する。


2010年11月19日