田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

外交の成果を勘違いしている菅首相

米中露“菅外交”を嘲笑…譲歩ばかりの「国辱的な会談」
2010.11.15 ZAKZAKより


 菅直人政権の絶望的な外交ショーが終わった。横浜APEC(アジア太平洋経済協力会議)では、中露両首脳と会談したものの、まるで空砲。菅政権は必死に成果をアピールするが、胡錦濤国家主席とメドベージェフ大統領には淡々とかわされる始末。血税から170億円もの巨費を投じた果てに、「国辱的な会談だった」(外務省OB)という厳しい指摘もある。折しも、序盤戦で楽勝とみられた福岡市長選で逆転大敗。これほど、民意に見放されたことに気づかない政権も珍しい。


 「やり取りの詳細は申し上げられないが、(中国とロシアの両首脳に対して)言うべきことは言った。成果はあった」


 福山哲郎官房副長官は15日朝、NHK「おはよう日本」に生出演して、こう語った。


 会談内容に切り込もうとするキャスターや記者らを遮るような態度。「徹底的な情報公開」を掲げて政権交代に成功した民主党だが、中国漁船衝突事件の映像公開拒否に続き、ここでも隠ぺい体質をあらわにした。


 菅首相がホストを務めたAPEC。通常、各国首脳が主催国の民族衣装を着て記念撮影するのが慣例だが、中国やロシアの反日感情に配慮して、着物ではなくカジュアルな服装に変えるなど、日本側が一方的に譲歩して、日中、日露首脳会談にこぎつけた。


 ところが、13日夕に行われた日中首脳会談は通訳を入れて、たった22分間だけ。


 福山氏によると、菅首相は尖閣諸島について「日本の確固たる立場を伝えた」といい、胡主席も「中国の立場」を表明したという。


 その後、両首脳は、お題目となった「戦略的互恵関係」の促進を確認し、政府と民間分野の交流促進で一致した。だが、流出映像で明らかになった中国漁船による許し難い蛮行に対する菅首相の断固たる抗議や、胡主席の謝罪は分からずじまい。


 中国側の日本軽視を示すように、中国国営の新華社通信は「会談」との表現を使わず、「交談した」(短い時間で言葉を交わす意味)と完全に格下扱い。報道では、尖閣事件に一切触れなかった。


 13日午前の日露首脳会談でも、「配慮」や「譲歩」ばかり。


 メドベージェフ大統領の北方領土・国後島訪問について、菅首相は「わが国の立場、日本国民の感情から受け入れられない」と抗議したというが、「日本固有の領土」「ロシアによる不法占拠」という言葉を封印したのだ。


 これに対し、メドベージェフ大統領は「クリール諸島(北方領土のロシア名)は将来もロシア領だ」と断言。本来、菅首相は日本国のリーダーとして断固抗議すべきなのだが、大統領から来年中の訪露を要請され、「検討したい」と答えてしまった。


 会談後、メドベージェフ大統領は短文投稿サイトのツイッターで「日本の首相と会った。解決できない論争より、経済協力の方が有益だと伝えた」と書き込み、余裕を見せた。


 元駐レバノン日本国特命全権大使で作家の天木直人氏は「日中、日露とも屈辱的な会談に近い。菅政権が言うような成果があったとは思えない」といい、こう続ける。


 「通常、首脳会談があると、外務省が会談内容をブリーフする。ところが、福山副長官が『詳細は話せない』と隠している。これは、今までになかったことだ。菅政権は『領土問題できちんと対応した』というが、実際には違うのではないか。正直に話せない何かがあるのだろう。菅政権は両首脳会談をやるために、必死になっていた。会談の内容ではなく、『会うこと』が目的となっていた。一方、中国とロシアは日本との関係をすぐ修復する気はない。日本側が(譲歩を重ねる)姑息な手段で、無理をして首脳会談をやったということ。長期的に見たら、会わなかった方が良かった」


 官邸が「日米の同盟強化で一致した。大成功だった」とアピールしている、菅首相とオバマ大統領の日米首脳会談(13日午前)にしても、肝心なのは中身と今後だ。


 最大の懸案事項である、米軍普天間飛行場の移設問題について、菅首相は「(沖縄県)知事選後(28日投開票)、5月の日米合意をベースに最大の努力をしていきたい」と伝えたが、民主党は独自候補すら擁立できず、有力2候補はともに「県外移設」を主張している。


 首脳会談に満足したオバマ大統領は14日午後、神奈川県鎌倉市の鎌倉大仏殿高徳院を43年ぶりに再訪し、思い出の抹茶アイスに舌鼓を打ったが、菅首相が、その信頼に応えられる保証はないのだ。


 政治評論家の浅川博忠氏は「日中、日露の首脳会談は完全に失敗。オバマ大統領も社交辞令で応じただけ。内政でも、小沢一郎元代表は国会に呼べず、危機管理・情報管理の問題も直撃している。内閣支持率は20%台に落ち、もはや挽回の手はない。臨時国会が閉幕する来月には、菅内閣は『死に体』になる」と語る。


 170億円を使ったAPECは、菅首相の最後の晩餐になるのか。
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 菅首相は、外交とは、外国要人と会ってお話しをすることだと思っているのだろうか。あって何を話かが目的ではなく、会うこと自体が目的化している外交とは、相手が「会わない」と言った場合、限りなく譲歩して、ご機嫌を取って、自分と会ってくれるように懇願している様に見える。
 会ってくれたからと言って、自分に対して、何かメリットがあるというわけでもなく、むしろ良いように使われるだけ使われて、捨てられるボロぞうきんのように扱われている。


 それで国内では、誰々と会ってお話しをしてきましたと報告するだけで、相手から何かを引き出したと言うことも無い。
 これはまるで素人が芸能人と会って、はしゃいでいるようなミーハー振りを示しているに過ぎない行為ではないだろうか。初の外交に、菅首相自身が舞い上がってしまい、周囲がみえていないのだろう。


 一連の尖閣諸島に関係する事件による外交の失政を、外交の得点によって挽回しようとしたのかもしれないが、結果を見れば、恥の上塗りをしたに過ぎなかった。
 厚生大臣時代を知るものとしては、多少期待していたのだが、首相になった途端、まるで借りてきた猫のようになってしまい、菅さんが菅さんで無くなってしまったようだ。
 民主党が政権交代をした時点で仕事が終わったように、菅さんも首相になった途端に政治家としての使命が終わってしまったかのような気の抜けようである。国会中継などを見ていても、目に見えてお疲れであることがよくわかる。実際、答弁は仙石由人官房長官ばかりで、菅内閣でありながら、仙石内閣という言葉がぴったりくるように、菅さんの顔がまるで見えない。


 本人を知っているだけに、私のような区議会議員が偉そうなことを言ってたいへん恐縮するが、それでも外交的失点によって、大きく国益を失っていることに目をつぶるわけにはいかない。
 あまり傷口が広くならないうちに、仙石由人官房長官と共に、内閣から退陣いただくのが、よろしいかと思う。民主党に期待するわけではないが、菅・仙石内閣を退陣に追い込むためには、やはり小沢一郎氏のこれからの言動が、とても気になるところである。民主党のためではなく、日本国のために、現政権を退陣に追い込んで欲しい。


2010年11月21日