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日刊田中けん

中選挙区制の復活を支持

中選挙区制復活も視野、自民有志が勉強会
(2010年11月16日21時27分  読売新聞)
 衆院の選挙制度見直しに向けた自民党有志議員の勉強会「議員定数削減と選挙制度改革を考える会」(代表幹事・松野博一衆院議員)が16日、国会内で初会合を開き、安倍元首相ら十数人の衆参国会議員が参加した。
 安倍氏は、現行の小選挙区比例代表並立制について、「中選挙区制に戻すほうが望ましい」と述べた。
 同会は来年の通常国会の会期末までに新制度の具体案をまとめ、党の衆院選公約に盛り込むよう執行部に求める方針だ。
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 議員になる以前から、私の政治的立ち位置は「反自民」であった。今は野党となった自民党に対して、矛先は鈍りはしたが、決して「親自民」ではない。
 しかし、昔から、自民党の一部の衆議院議員が言っていたように、中選挙区制は支持していた。
 民主党が言うように、小選挙区制でなければ政権交代が実現しないとは思ってなかったし、制度によって人為的に政権交代を演出することには違和感が有った。


 小選挙区導入にあたって、かつて民主党内でまことしやかに言われていた理由があった。
●小選挙区制によって、公明党や共産党のような中勢力政党を議会から排除できる。
●反自民の意識を、野党第1党である民主党に集中させることができる。
●自民党と対立する民主党という構図を作り上げることよって、民主党を実態以上に大きな政党に演出することができる。
 つまり小選挙区制は、結果として民主党にとって好都合な条件をそろえてくれることになった。


 更に民主党の場合、衆議院議員および衆議院選挙公認予定候補者(以下、予定候補者とする)にとって、自民党よりも居心地の良い条件が揃っていた。その理由は、選挙区に支部を1つしか認めなかったことである。
 自民党は地方議員も含めて、議員の数だけ、第1支部、第2支部、第3支部、第4支部・・・・・・・のように無数に支部を認めてきた。このことが、支部に対する政治献金が、事実上、特定の政治家に対する個人献金になると言う温床を作ったと言うことで、民主党の場合、それを止めようということになった。
 主旨としては立派だが、それによって政党支部は、衆議院議員および予定候補者が一元的に管理することになった。つまり衆議院議員および予定候補者による支部独裁を民主党は規約的に認めることになってしまった。
 民主党にあっては、国会議員の数が多い割に、地方議員の数が少ないのは、民主党に所属すると、このように衆議院議員および予定候補者との主従契約を結ばなければならない。つまり「俺の言うことを聞け。もし聞かないようならば、次期選挙において公認を出さない」という暗に脅しをかけることができるようになったのだ。
 もちろん、「私の選挙区ではそのようなことはない」と反論される現職民主党の地方議員もたくさんいることだろう。それはそれで幸福なことなのだが、規約上、そのようなこともできるということは、政党支部の運営は、衆議院議員および予定候補者の人間性に大きく左右される事項となっていることを意味している。つまり、人間性豊かな人が、衆議院議員および予定候補者であれば、支部運営に善政を敷いて幸福な運営が保障されるが、人でなしな人物が、その任にあれば、独裁的な支部運営をしてしまうということなのだ。これを規約的に保障しているのが、民主党の支部運営の実態である。
 なぜこのように地方議員が、同じ政党だからと言って、衆議院議員および予定候補者に従属しなければならないのか。その理由の1つに、やはり小選挙区制になって、その地域から1人しか衆議院議員が誕生しないという権力が集中している状態に、この根本原因を求めるしかない。


 自民党にとっても、小選挙区制になって、真に実力と情熱のある人材が自民党に入って来にくくなったとの見解がある。公認されるのは、二世ばかりで、それが自民党の足腰を弱めているという指摘を、加藤紘一衆議院議員は嘆いておられた。


 自分の主義主張と違うからと言って、国民から一定の支持がある公明党や共産党を議会から排除して良いなどと言うことは、民主主義の考え方ではない。多様制を保証する議会構成を望む立場から、私は現行の小選挙区制を廃し、中選挙区制を支持する。 


2010年11月25日