田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
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日刊田中けん

車の安全装置義務化は、積極的に

車の「横滑り防止装置」義務化へ 国交省、まずは新車で
2010年12月4日15時0分 asahi.comより


 カーブや雨の道で自動車がスリップしそうになるのを防ぐ「横滑り防止装置」(ESC)が、すべての新車の乗用車につくようになる。センターラインをはみ出して衝突するなど横滑りによる交通事故が多いため、国土交通省が自動車メーカーに装着を義務づける方針を固めた。
 まず、2012年10月以降に全面改良(フルモデルチェンジ)して発売する新型車に義務づける。既存車種も14年10月以降には装備に追加する必要がある。軽自動車は設計変更に手間がかかるため、新型車が14年10月以降、それ以外は18年2月以降とする。
 ESCは1990年代半ばに実用化された。センサーがタイヤの回転数やハンドルの角度、車の向きなどを監視し、タイヤが滑りそうになると、エンジンの回転数を落としたり、自動でブレーキをかけたりして車の動きを修正する。
 ESC装着で、カーブを曲がりきれなかったり、雨道でスリップしたりする事故を防ぎやすくなり、交通事故の発生率が3割ほど下がるという試算もある。ただ、装置をつけるには5万~10万円のコストがかかり、価格も上がるため、国内の新車の装着率は1~2割にとどまっている。
 高速走行が多い欧米では義務化を決めている国が多く、11~12年ごろから適用される。ドイツではすでに新車の8割についているという。装着は世界的な流れになりつつあり、国交省は日本も装着の義務化が必要と判断した。(西村宏治)
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 ユーザーにとってコスト高になるから、義務化には反対だという声もあろう。しかし、私は、安全装置に関しては、積極的に義務化する法制度を支持する。
 今回紹介した記事では、「横滑り防止装置」(ESC)を紹介しているが、他にも義務化されていない安全装置はある。


 例えば今、富士重工では、ステレオカメラを用いた先進運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」を自社車両に設置して販売している。最近では、更に自動ブレーキによって車両を停止させる制御などの最新技術を加えた「新型EyeSight(アイサイト)」を開発している。
 EyeSightは、世界で初めてステレオカメラのみで、全車速追従クルーズコントロール機能や歩行者、自転車をも対象とした、衝突前の安全機能を実現したシステムである。2008年5月の発売以来、ユーザーからは高い評価を得ている。
 この様な装置は、スバル車だけでなく、できれば日本で発売される全車に設置義務を課するべきであろう。もしこの様な安全システムが全車に設置されたのであれば、年寄りや運転慣れしていない人が起こしやすいアクセルとブレーキの踏み間違いによる前方急発進を防ぐことが出来る。


 人間は間違える動物である。


 つまり「人間とは何か」という認識が、法律に大きな影響を及ぼす。
 よく凶悪な犯罪などがあると、犯人がどれだけ異常者であるかを強調するような報道を見かける。どれだけ異常者であるかという報道は、視聴者にとって、奇妙な動物を知りたいと言う欲望と、その奇妙な動物は自分とは決定的に違うという願望を充たしてくれる。
 しかし、はたしてそうだろうか。
 このとき、私は、「人間とは、ある特定の状況に置かれると、誰もが同じような行動をする可能性が高い動物である」と認識していたならば、凶悪な犯罪者とは、自分とは全く関係が無い人物ではなく、明日の自分、または明後日の自分かも知れないという想像力を持つことが出来る。
 そのような「危うい自分」を意識したときに、初めて、人は、何か対策を考えるようになるのではないだろうか。
 たとえ「自分は違う」と確信しているような人であっても、隣人が、そのような凶悪犯罪者になる可能性までは否定できないだろう。


 人は時に間違えたり、愚かなことをしてしまう動物である。
 そして、その可能性は、常に自分自身にもありうる。


 世の中に品行方正な人はたくさんいるだろう。しかし、その品行方正な人が、未来永劫死ぬまで品行方正かどうかは、その人の一生が終わってみなければわからない。また品行方正な人であっても、特定の場面に遭遇したときに、恐怖、誘惑、買収、衝動、欲望などに突き動かされて、失敗したり、愚かなことをしたりしないとは言い切れない。


 法律を作る側の人間、つまり立法府を構成する議員は、「人間とは何か」という哲学的命題を常に意識しながら仕事をしなければならない。合法か違法かという当てはめ作業だけに興味関心を持たれているようならば、立法府に参加する人間としては失格である。
 法律を創造するのが、我々、議員の本来の仕事である。


2010年12月07日